真冬の車中泊での暖房問題解決法!
冬の車中泊は寒さとの戦い
車中泊を楽しむ方にとって、冬の暖房は永遠のテーマですよね。特に真冬になると、防寒対策が不十分だと体調を崩す原因にもなりかねません。
また、一酸化炭素中毒の危険性がある暖房について、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、安全かつコストを抑えた暖房対策を考察し、実験結果をもとにした具体的なアイデアをご紹介します!
1. 市販暖房器具のメリットとリスク
市販のFFヒーターやガスヒーター
最近では車用のFFヒーターや、カセットガスファンヒーターが注目されています。しかし、一酸化炭素中毒や火事のリスクを考えると、使用には慎重にならざるを得ません。
- メリット
- 手軽に使える。
- 一定の暖房性能が期待できる。
- デメリット
- 一酸化炭素中毒のリスク。
- 高額な購入コストや設置費用。
- 使用時の燃料コスト。
- 火気を使うリスク
私も色々やりましたが、コレ!と言ったところまで結論を出せずにいました。
車内で火気を使うのは本当にリスクしかないので、できるなら使いたくない。
でもそこそこ暖かい車内で眠りたい!と思い考えてみました。
2. 実験で検証!ユニークな暖房方法
もし、とても良い方法があれば、こんな世の中なので情報が回っているハズ。
リスクを考えると我慢して寒い中で寝るしかないのか。など悩みに悩みました。
流行りのポータブル電源を用いたシステム
ポータブル電源を用いて、電熱線が入った寝袋や敷布団を敷くのはよろしいのですが、非常に初期投資が掛かります。これはちょっとお金に余裕がないと難しいです。
特にポータブル電源の初期投資が大きい。
もう少し安くできないか。
そこで次の案が浮かんできました。
案1: 温水暖房システム
車外でカセットコンロ等でお湯を沸かし、省電力のポンプを使って温水を車内に循環させるアイデア。
温水暖房ですよね。
- メリット
- 車内の一酸化炭素中毒ゼロ。
- 長時間の暖房が期待できる。
- デメリット
- 実現には手間がかかる。
- 火事のリスクがある。
これは現実的に厳しそうですね。
でも、良い線行ってるんじゃないでしょうか?
水は熱しずらく冷めにくい。暖房に使うなら悪くない素材です。
案2: 大量の熱湯を蓄える
20Lの水を限界まで温め、ポリタンクに入れて車内に設置。
- メリット
- 簡単で安全。
- 蓄熱効果が期待できる。
- デメリット
- 水を温めるのに時間と燃料を消費。
- 暖房効果は限定的。
これは、寒い冬に20Lの水を沸かすのにどれぐらい時間がかかるのでしょうか?
安全度はそれなりですが、バツに近い△ぐらいにしておきます(笑)
案3: 石の輻射熱を利用
あれもだめ、これもだめ。なんて考えている時に、ソファで寝転がりながら、ふと目に留まったのがわが家の暖房器具。
「ペチカ」
ペチカとはストーブの排気する熱でレンガを温めて利用するロシアの伝統的暖房器具。
一度暖まったペチカはストーブを消しても、レンガに蓄熱しているのでしばらく暖かいのです。
このペチカに着想を得たアイデア。
一度暖まると冷めずらいレンガ、そして一酸化炭素排出ゼロで長時間暖かい!!
こ、これだ!!
超クリーンな空気。石の輻射熱を利用して車内を温める。一酸化炭素中毒の危険性はもちろんゼロ。コンロはどの家庭でもあるとして、コストは石やレンガを焼くためのガス代、数百円のみ!!
- メリット
- 一酸化炭素排出ゼロ。
- 石やレンガは比較的安価。
- デメリット
- 通常の石は割れる可能性があるため耐火レンガが必須。
- 車内温度の上昇は限定的。
3. 実験結果と考察
とりあえず、思い立ったらするやってみる!
と、言う事で、早速家にあるもので実験してみることにしました!
実験材料
- 使用した道具: おばあちゃんが使っていた漬物石、家の片隅にあったカセットコンロ(イワタニフーBO)、SOTOパワーガス
実験内容
イワタニのフーBOは最大4.1kWとパワーは十分。しかし、冬は普通のレギュラーガスでは温度が下がってパワー的に不十分なので、SOTOのパワーガスを使用しました。
また、火力はあるけど、OD缶のシングルバーナーは、重い石を焼くと非常に不安定なため、使用するまでもなくここで失格としました。
実験開始
コンロでガンガン石を焼きます。
ゴトク部分が熱すぎると危険ですので様子を見ながらの作業となります。
するとちょっと目を離しているとパチンパチン音が聞こえてくる…。
何の音だ?と思って見ていると
ん?
なんと!
石が割れている!
ある程度は予想していたが、こんなに簡単に割れるとは…。
爆発しなかっただけ良しとしよう。
おばぁちゃんの形見の漬物石なのに…すまぬ(笑)
再実験開始
で、色々悩んだ結果、耐火レンガを使用することにしました。
一般的に300円前後でホームセンターに置いてます。
再びコンロで15分焼きます。
今回は実験ですので、とりあえず、焼きあがったレンガを焼肉コンロの上に置いて車に投入(笑)
実験日は、寒波のおかげで日中の気温も低くてラッキー!!
実験日和です!
外気温-6℃
車内温度-6℃
外気温・車内の温度ともに-6℃スタートです!!
15分後。
いきなり1.1℃上昇!!
車内温度-4.9℃
微妙に温度が上がっています。
良い感じ!このまま暖かくなれ!
30分後。
思いのほか伸びが悪い。
車内温度-4.7℃。
一時間後
変わらず車内温度-4.7℃
あれ?もう頭打ちか?
2時間後
くそっ!
下がっている!
車内温度-4.9℃
3時間後
外気温-8℃
車内温度-5.2℃
うまくいくと思ったんだけどね!
車内を十分温めるのは難しそうだね。
と言う結果となりました。
実験結果と考察
- レンガは車内温度上昇のための暖房器具と言うよりは、車内温度の現状維持の方が得意な気がする。
- 意外と長時間の蓄熱が可能。
- 人が車内にいる状態(寝ている状態)だともう少し温度変化が鈍そうだ。
- 3時間も経つとレンガは手で触れるぐらい冷たくなっている。
- レンガ4個のわりには頑張ったほうか?
課題と改善案
- 石焼きは割れる可能性大。破片が飛ぶ危険性があるのでやめた方がよい。
- 焼いたレンガの運搬と設置には火傷をしないように細心の注意が必要。
- 今回耐火レンガの焼き時間は15分であったため、内部まで十分蓄熱されていない可能性大。もう少し時間を伸ばしてみる必要性がある。
- 車内のガラスに熱が逃げないように遮熱銀マット、カーテン等を使うと結果が変わる可能性大。
- 焼いたレンガに物が触れないように注意が必要。
4. 実用するまでにまだ実験が必要
真冬の車中泊での暖房は、一酸化炭素中毒や火事のリスクを徹底的に排除することが最優先です。本記事で紹介した耐火レンガの使用は、コストを抑えつつ、一酸化炭素中毒にならない暖を取る工夫として発展する必要がありそうです。
次回予告
次回は、車内の断熱効果を高めるためのアイデアや、さらに効率的な暖房方法について実験結果を共有します。お楽しみに!