近年、サクラマスや海アメマスを狙うアングラーが増加し、釣果に変化が見られるようになりましたね!
そんな中、フックの選び方が釣果やリリース率に大きく影響することが明らかになっています。
この記事では、最新のミノーフックの選択肢について、科学的データをもとに解説します。さらに、どのフックを選べばよいか迷っている方へ実践的なアドバイスもします!
海サクラマス・海アメマス釣りの進化とミノーの選択
私が海サクラマス釣りをはじめた時代の主流はジグやスプーンでした。特に、20年以上前はミノーを使うことはあったものの、飛距離が短く、風の影響を受けやすいため、あまり実用的ではありませんでした。
だって、ちょっと向かい風の日にキャストしたら10mぐらい手前にボトって落ちる時代でしたから(笑)
しかし、最近では飛距離性能が向上したミノーが登場し、キャストすればスカーン!と飛んでいく。そのため、多くのアングラーに選ばれるようになっています!
たとえば、ジャクソンやシマノ、DUOなどのミノーなどは、かつてのミノーとは比べ物にならないほどの飛距離を実現しており、海サクラマスや海アメマスを狙う上で非常に有効なルアーとなっています。
フックの選択肢と釣果データの比較
最近では資源保護の観点から、トリプルフックからシングルフックへの変更を考えるアングラーも増えてきました。シングルフックは魚へのダメージが少なく、リリース後の生存率が高いとされています。
また、私がシングルフックを使う理由として、大きい魚がかかるとトリプルフックは曲がりやすくキャッチ率が下がるためシングルフックをジグやジグミノーでは愛用しています。
実際に、「降海型サケ科魚類を対象としたルアー釣りにおける鈎形状と装着方法による掛かりやすさの違い 芳山 拓 坪井潤 2018 年6月16日受付,2018年11月18日受理,2019年2月15日 J STAGE 早期公開」の研究論文では、フックの種類ごとの釣果データが報告されています。
この研究ではミノーに3パターンのフックを取り付けて海サクラマス、海アメマス釣りをし、その結果について書かれています。
トリプルフックでは34尾,シングルフックでは59 尾,2-シングルでは243尾が鈎掛かりし,このうち釣獲に成功した尾数はトリプルフックでは26尾,シングルフックでは29尾,2-シングルでは161尾であった
引用:降海型サケ科魚類を対象としたルアー釣りにおける鈎形状と装着方法による掛かりやすさの違い 芳山 拓 坪井潤 2018 年
この研究論文を私なりにまとめてみました。
フックの種類 | ヒット数 | キャッチ数 | キャッチ率 |
---|---|---|---|
トリプルフック | 34 | 26 | 76% |
シングルフック | 59 | 29 | 49% |
ダブルシングルフック | 243 | 161 | 66% |
このデータを見ると、キャッチ率が最も高いのはトリプルフックですが、ダブルシングルフックもそこそこ高いパフォーマンスを発揮しています。
一方シングルフックの場合はキャッチ率が50%を下回り、49%。つまり約半分はキャッチできない結果となっていました。
各フックの特徴とメリット・デメリット
私が思う、各フックのメリット・デメリットを記載します。
キャッチ率が高いトリプルフックが、全てにおいてメリットがあるわけではなく、逆にキャッチ率の低いシングルフックにおいてもメリットはあります。
トリプルフック

メリット
- ヒット時の針掛かりが良い。
- 魚の活性が高い時に特に有効。
デメリット
- フックポイントが多いため、一本しかかかって無い場合はバレやすい。
- 魚へのダメージが大きく、リリース後の生存率が低下。
- 根掛かりのリスクが高い。
シングルフック

メリット
- 貫通力が高く、しっかり掛かるとバレにくい。
- 魚の口周りのダメージが少なく、リリースに適している。
- 根掛かりしにくく、障害物の多い場所でも使いやすい。
デメリット
- トリプルフックと比べるとヒット率が低い。
- フッキングの際により強い力を必要としない。
ダブルシングルフック(ツインフック)

メリット
- トリプルフックとシングルフックの中間的な特性を持つ。
- フッキング率が高く、バレにくい。
- 魚のダメージを抑えつつ、高いキャッチ率を確保。
デメリット
- 取り付け方によってはルアーバランスを崩すことがある。
釣り場の状況に応じたフック選びのポイント
- 魚の活性が高い場合 → トリプルフックで積極的にヒットを狙う。
- リリース重視 → シングルフックで確実なリリース。
- キャッチ率とリリース率のバランスを重視 → ダブルシングルフックが最適。
また、フックのサイズや形状もルアーのアクションに影響を与えるため、適切なセッティングを行うことが重要です!
実践!例えばこんなフックセッティング
Aパターン
- 標準のトリプルフック → そのまま使用し、まずは釣果を上げる。
Bパターン
- フロントにダブルシングルフック、リアにシングルフックを装着 → フッキングとリリースのバランスを最適化。
なんてこともできます。
Cパターン トリプルフックウェイトチューン
- トリプルフックにウェイトを装着
最近、Jacksonからフックシンカーが発売されましたが、実は昔から鉛をフックに巻き付けたりするのはありましたね。
フックウェイトが増えるため、飛距離が伸びる、沈下スピードが早くなると言うメリットもありますが、ルアーそのものの、軽快な動きを阻害する可能性も0ではありません。
積極的にロッドワークでカバーできる上級者向けなチューンですが、私的にこのチューンの最大のメリットは、ルアーが波などで浮きずらくなる、そして、フックが重くなることによってショートバイトを確実にフッキングに持って行きやすくなることだと思っています。
アユ釣りなんかもそうなんですが、軽い針を使うと、フックが沢山動いて、かかるきっかけが増えるのですが、逆にかかりが浅くなったりするんですね。
ちょっとイメージわかない方もいると思うのですが、イメージ的には、軽いもの衝突するより、重い物に衝突いた方がダメージはでかいですよね?
それフックにも起こっていることで、その分、刺さりやすくなるって感じです。
ウェイトチューンはそこをカバーできるチューンだと私個人は思っています。
フックの選び方は実は難しい!
今回はミノ―のフックのセッティング方法について書いてきましたが、実はシングルフックを選ぶ時に沢山の選択肢があるのをご存知ですか?
フックの種類によってどんな魚にどんなかかり方をして欲しいなど変わってきますので、たかがフック一本ですが基本的なことから学ぶことも重要です!

実際のところは
基本的にはミノーに付属されている、標準トリプルフックが一番バランスがとれてると言えます。
ミノーにおいて、標準フックではないフックを使用すると著しく泳ぎのバランスが崩れることが多々あります。
特に大きいフック、太い軸のフックを取りつけたり、アシストラインがマッチしていないフックをセッティングすると急に泳がなくなって、思いっきりギュンギュン、トゥイッチをいれないとミノーが動かなくなる。なんてことも多々あるので、一概にトリプルフックをシングル・ダブルフックに変えると言う選択肢には慎重になった方が良さそうです。
海サクラマス、海アメマス釣りにおいて、リリース重視の釣りをされる場合は、ジグや、ジグミノーにシングル・ダブルフックをセッティングする方が現実的と言えます。
ただ、ミノーは【魚を釣ってる感】が味わえるのでこの辺は好みが別れそうですね。
自作フックを作ってみたい
作りなれてしまうと簡単なのですが、フックを自分で作ってみたい!って方も多いですよね。
意外と簡単に作れます!
初心者向けの記事になりますが、関連記事を参考に作ってみてください!

まとめ
サクラマスや海アメマス釣りにおいて、ミノーのフックの選び方は釣果とリリースのバランスを決める重要な要素です!
- トリプルフック → キャッチ率は高いが、魚のダメージも大きい。
- シングルフック → リリースに適しているが、キャッチ率は低め。
- ダブルシングルフック → キャッチ率とリリース率のバランスが取れた選択肢。
釣り場の状況やターゲットの活性に応じて最適なフックを選び、サクラマスや海アメマス釣りを最大限楽しみましょう!