水産庁のホームページにて、新しく令和7年4月からのクロマグロ遊漁の委員会指示について公表されました。
今回の広域漁業調整委員会指示について、私が超わかりやすくまとめましたので、説明したいと思います!
色々と変更点がありますのでみなさん要チェックです!
漁業調整委員会とは?
みなさんは「漁業調整委員会」という言葉を聞いたことがありますか? 漁業調整委員会は、日本の海や川で行われる漁業を適正に管理するために存在する組織です。 漁業者や地域の人々が意見を出し合いながら、漁業資源を守り、持続可能な漁業を続けるためのルールを決めています。
では、具体的にどのようなことをしているのか、詳しく見ていきましょう!
漁業調整委員会は何をするの?
漁業のルールを決める
漁業調整委員会は、どの時期にどの魚をとるのか、どんな漁具を使うのかなどのルールを決めます。 これにより、魚が減りすぎたり、環境が壊れたりするのを防ぎます。
例えば…
- サケやマスを獲る時期を決める
- 網の大きさや使っていい漁具を制限する
- 魚の産卵場所を守るための禁止区域を設ける
トラブルを解決する
漁業者同士の意見が合わないときや、漁業と他の産業(観光業・レジャーなど)がぶつかるとき、漁業調整委員会が間に入って調整します。
資源を守る活動をする
魚が減らないように、稚魚を放流したり、環境保護活動をしたりすることもあります。
どんな人が委員会のメンバーなの?
漁業調整委員会のメンバー(委員)は、漁業をしている人や地域の代表者など、漁業に関わる人たちから選ばれます。 彼らは、漁業者の意見をまとめて、よりよいルール作りを行います。
- 一般の人でも委員になれるの?
-
基本的には、漁業に詳しい人や地域の代表者が選ばれることが多いですが、地域によっては漁業に関心のある人も関わることができます。

り、立候補しちゃおうかな(笑)
漁業調整委員会がないとどうなる?
もし漁業調整委員会がなかったら、好きなだけ魚を獲ることができてしまいます。 すると、魚が減ってしまい、将来的に漁業ができなくなる危険があります。 また、漁業者同士がトラブルになったり、地域の人々と問題が発生したりすることも考えられます。
だからこそ、漁業調整委員会はとても大切な役割を果たしているのです。
- じゃあ、漁業調整委員会が決めたルールは絶対に守らないといけないの?
-
はい、守らなければなりません。 もし違反すると、罰則が科せられることもあります。



ルールも調べて見ると言葉が難しくて頭に入ってこない!
小型魚(30kg未満)の採捕は禁止
それでは、具体的な委員会指示の内容です!
引き続き30kg未満のクロマグロは採捕禁止です。
大型魚を釣り上げる事の出来ない方には一番の壁かもしれません。
対象となる魚
分類 | 内容 |
---|---|
対象魚 | 30kg未満のクロマグロ |
採捕ルール
ルール | 詳細 |
---|---|
採捕禁止期間 | 年間を通じて禁止 |
誤って釣った場合 | 直ちに海へリリース |
繰り返しですが30kg未満のクロマグロは、年間を通じて釣ることが禁止されています。もし意図せず釣れてしまった場合は、すぐに海に戻しましょう。
令和7年度の大型魚(30kg以上)の採捕管理
30kg以上のクロマグロは採捕できますが、ルールが決められています。
特に令和7年4月以降の新ルールは以下です!
年間採捕数量
年間採捕可能量 | 開始時期 |
---|---|
60トン(今までは40トン) | 令和7年4月1日以降 |
年間の合計で60トンまでしか採捕できません。今までは40トンでした。
採捕上限
ルール | 詳細 |
---|---|
採捕可能数 | 毎月均等に設定(今までは複数月) |
バックリミット(保有制限) | 1人あたり1か月に1尾まで(今までは1日) |
個人が1か月に採捕できるのは1尾までです。今までは1日だったので1か月に何回もマグロ釣りに行かれる方には影響が出そうです。と、言いますか、遊漁船に乗るのを控えるアングラーが増えそうですね。
遊漁船業を営む方達の収入面においても影響がでそうです。
採捕報告の期限
報告タイミング | 詳細 |
---|---|
陸揚げ後 | 1日以内に報告 |
釣ったら、翌日までに報告しなければなりません。今までは三日以内でした。
虚偽報告対策
今まで、虚偽報告の噂が非常に多かったようで、その対策もされました。
例えば30kgしかないのに50kgと申請するような報告。
釣ってもいないのに〇〇kgのマグロを釣った。などの噂も一時SNSで話題になりました。
これからは二重認証システムとして電話番号認証があるとのことです。



虚偽報告を感じさせる非常に疑わしい画像がSNSで出回り騒然としましたね。
委員会指示の有効期間
これまで1年間ごとの委員会指示でしたが、これからは2年間になります。
後で説明しますが、この2年間と言うのが、この規制の一番と言ってもよいぐらい厳しい罰則につながります。
これまで | 令和7年4月から |
---|---|
1年間 | 2年間 |
新しく追加された採捕報告の内容
報告項目 | 詳細 |
---|---|
尾叉長 | ふん端から尾叉までの長さ |
陸揚げ場所 | 港、マリーナなど |
計量方法 | 秤や目測など |
遊漁船利用時の情報 | 遊漁船登録番号 |
プレジャーボート利用時の情報 | 船舶番号や船舶検査済票の番号 |
写真の提出 | メジャーと一緒に尾叉長が確認できる写真、本人確認写真(免許証など) |
報告には細かい情報が必要なので、釣った後はすぐに準備しましょう。
尾叉長についてはわからない方が多いので以下の写真で説明します。





口から尻尾のくの字になってるところまでだね!
時期別採捕数量
個人的な思いとしては、産卵期の採捕数量は抑えた方が?とも思うのですが、オール5トンで均等に分配されました。
各月の採捕数量上限
時期 | 採捕数量上限 |
---|---|
4月 | 5トン |
5月 | 5トン |
6月 | 5トン |
7月 | 5トン |
8月 | 5トン |
9月 | 5トン |
10月 | 5トン |
11月 | 5トン |
12月 | 5トン |
1月 | 5トン |
2月 | 5トン |
3月 | 5トン |
注意事項
- 各時期の採捕数量が上限を超える恐れがある場合、その時期中は採捕禁止となる可能性があります。
- 全体の採捕数量が60トンを超える恐れがある場合、令和8年3月31日まで採捕禁止となる可能性があります。
- 採捕禁止期間中は、クロマグロを狙ったキャッチ&リリースを前提とした釣りも控えてください。
- 他の魚種を対象とした釣りでクロマグロが釣れた場合は、直ちにリリースが必要になります。
採捕報告の方法
基本的にWEBでの報告になります。
インターネットで報告できない環境にある方はどうなるんだろう…。
とも思います。
報告方法
方法 | 詳細 |
---|---|
オンライン報告 | 報告サイトから報告 |
LINE報告 | LINEを利用して報告 |
注意事項
- 採捕報告は採捕者本人が行う必要があります。
- 報告内容に不明な点がある場合、報告いただいた電話番号やメールアドレスに連絡する場合があります。
2度目の違反者には厳しい罰則も
2024年は「太平洋・日本海・九州西・瀬戸内海」の広域漁業調整委員会指示違反をした場合、農林水産大臣に対して裏付け命令を申請して、広域漁業調整委員会の指示に従うべき旨の命令(裏付け命令)が発出されます。そこでそれに従えば罰則は無し。従わない場合は、罰則(1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金等)が適用されることになっていました。(漁業法第191条)
つまり1年間で、二回目に違反した時は罰則対象だったんですね。
それが、今回委員会指示の期間が2年間になったとこで、委員会指示の有効期間内(2年間)で二回違反した場合に罰則対象になります。
30kg未満の採捕や、採捕禁止期間内での違反など。
大臣にこの人違反しました!委員会の指示に従うべき旨の命令してくださいと委員会が申請。
ここで、大臣に命令された人は、従うか、従わないかの判断をします。
従えば、罰則無し。
従わなければ罰則。また、この時、従うと言ったとしても、委員会指示の有効期間内に再び違反した場合は1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金等が適用されます。



今までは委員会指示の期間(1年間)が変わるとリセットされてたようだ!
令和8年4月から新たな届出制の導入
さて、令和8年度4月1日からは以下のように新規の管理処置がはじまる予定です。
これに水産業は「現在、クロマグロ遊漁の全体像が不明であることを踏まえ、全体像を把握することを主な目的として」と説明していますが、今後の議論で変更する可能性があるとのことです。
届出対象者、届出内容等の届出制の具体的な内容については、今後、くろまぐろ遊漁専門部会及び広域漁業調整委員会での議論・決議を経て最終的に決定される予定です。
新規の管理処置(検討中)
新規の管理処置ですが、けっこう厳しいです。正直遊漁にそこまでしなければならないのか?思うぐらいです。
今後TAC制度の他の対象魚はどうなるのかにも注目です。
項届出対象者目 | 令和8年4月1日~令和9年3月31日の間にクロマグロを採捕しようとする遊漁者 | 令和8年4月1日~令和9年3月31日の間にクロマグロを採捕しようとする遊漁者を漁場に案内しようとする遊漁船業者・遊漁船以外の船舶を運行する者※自ら遊漁船以外の船舶を運行してクロマグロを採捕しようとする者もふくむ |
---|---|---|
届出内容 | ・氏名 ・住所 ・電話番号 ・メールアドレス ・使用予定船舶(任意) ・出入港予定場所(任意) | ・氏名 ・住所 ・電話番号 ・メールアドレス ・船名 ・遊漁船登録番号(遊漁船の場合) ・船舶番号(遊漁船以外の船舶の場合) ・出入港予定場所(任意) |
受付期間 | 採捕しようとする日の1営業日前まで | 令和〇年△月▢日から令和8年▲月■日まで |
届出回数 | 委員会指示の有効期間中に1回 | 受付期間内に1回 |
届出方法 | 電子フォーマット・メール・アプリ・システム(開発中) | 電子フォーマット・メール・アプリ・システム(開発中) |
未届出時の対応 | ・届出を行っていない者はクロマグロの採捕をしてはならない。 ・クロマグロを意図せず採捕した場合は直ちに海中に放流しなければならない。 | 届出を行っていない物は、遊漁によりクロマグロを採捕しようとする者を漁場に案内してはならない。 |
※ これらの内容は今後変更される可能性があるため、最新情報は水産庁の公式ウェブサイトを確認してください。
水産庁クロマグロ遊漁の部屋はこちらから
まとめ
- 30kg未満のクロマグロは釣ってはいけない!
- 30kg以上のクロマグロは1人1か月に1尾まで!
- 採捕期間内に釣れてしまったらリリース!
- 釣ったら翌日までに報告しよう!
- 決められた月ごとの採捕上限を超えないよう注意しよう!
- 令和8年4月から遊漁には事前届出が必要!になる可能性が大!