ヒグマ対策は油性クマスプレー?迷ったらコレを選ぶ理由と現場の使い方

クマが海岸からこちらを見ている様子

「ヒグマのエリアに入るから、クマスプレー買うならどれ?」って、今まさに迷っていませんか。ショップやネットを見ても沢山あるし、どれを選んだら良いかわからない!なんて思ってる方も沢山いるはず!
この記事では、なぜ油性タイプがヒグマ向けに推奨されるのかを、国内で販売されているクマスプレーの例を挙げ、わかりやすく解説しようと思います!はじめての方でも理解できるように、選び方→使い方→購入前チェックの流れでまとめました。


目次
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クマスプレーの選択肢としてEPA認定かそうでないか

ヒグマが海岸を歩いている様子

EPAとは?

EPA(イー・ピー・エー)は、
United States Environmental Protection Agency(アメリカ合衆国環境保護庁)
の略称です。

アメリカの国の機関で、
環境を守るためのルール作り・監視・許可・規制を行う役所のような存在です。
参考:アメリカEPAサイト EPAについて

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何をしているところ?

EPAが扱う分野の例:

  • 大気(排ガス規制、工場や車の排出基準)
  • 水質(川・湖・飲料水の基準)
  • 土壌汚染や化学物質の規制
  • 農薬・殺虫剤・消毒剤などの安全審査と登録制度
  • 放射性物質の管理
  • 温室効果ガスや気候変動政策

日本でいうと、

サクラ

環境省+厚労省(農薬・化学物質の審査)の一部機能を合わせたような機関
に少し近いイメージです!

ベアスプレーとEPAの関係

実は、アメリカで販売されているクマスプレーの多くはEPAの“登録”を受けています。

なぜかというと、

  • ベアスプレーは “化学物質を用いた野生動物忌避剤”
  • 人にかかる可能性があり、安全性や効果、成分、噴射距離などの規格が必要

の理由からです。

そのため、EPAは

  • 有効成分(OC濃度)
  • ラベル表記(警告文、安全指示、応急処置記載)
  • 毒性区分、環境リスク
  • 使用目的(“For deterring attacking bears”など)
  • 実際のラベルと成分の一致

などを審査しています。

つまり、安全・成分・表示などが審査されている

といった基準を満たさないと、EPA登録ベアスプレーとして認めていません。

つまり、EPA登録=「国が安全性と効果を確認した製品」という立ち位置になります。

なぜアウトドア愛好者や登山者がEPAを気にするのか

  • EPA登録品は、北米の国立公園や山岳公園で公式に推奨されることがある
  • 登山者や釣り人は、
    EPA登録 = 信頼できるベアスプレー
    と判断材料にする
  • 特に、ヒグマ・グリズリーが生息するアラスカ・イエローストーン周辺では事実上の“必須装備”扱い

日本での位置づけは?

EPA認定の印
EPA Regと書かれている
  • 日本にはEPA制度はないので、
    EPA登録=アメリカで審査を通過した製品という意味
  • 日本の通販や登山店で、
    「EPA Registered Bear Spray」と書かれている製品が並ぶことがある
  • ただし、日本では法律上「危険物」「劇物」ではない(OC濃度が低い)扱いが多いが、
    航空機や運送の規制、自治体ごとの使用ルールがあるので注意が必要です。

一言でまとめると

シロ

EPAはアメリカの環境を守る国の機関で、
ベアスプレーの安全性などを審査・登録している。
「EPA登録品なら信頼性が高い」と考えるアウトドア愛好者が多い。

なぜ“ヒグマには油性”なのか

雨などの水でも成分が流れにくい=効果が持続

クマスプレーには油性と水性の2種類あります。
国内で人気のクマスプレーでは、「油性」が多く並びます。特にヒグマ向けの特徴として「噴射液剤が油性」で「流水でも落ちにくい」という事が挙げられます。と、言う事は、

シロ

過酷な環境のアウトドアスポーツの用途に合致しますね。

やはり、大型のクマがいる海外でも油性が人気のようです。

もちろん、油性なので、かかると油で弾かれることもなく、じわ~っと付着面に広がりますので効果も非常に高いです!

先に結論を言うと

  • 結論EPAが認可した製品を選ぶ。ヒグマ=油性が第一候補。長距離・長時間噴射のモデルを選ぶ。
  • 理由毛皮や粘膜に付着しやすく雨などの水で落ちにくいひるませる“時間”を作れる

日本で買える「油性」や「EPA認定」モデル(厳選)

ベアスプレーのボトル

海外ベアスプレー市場ではCounter Assault、Frontiersman(SABRE)、UDAP、は定番です!

COUNTER ASSAULT

  • COUNTER ASSAULT:古参ブランドの油性。信頼性と噴射時間で選ぶ。
製品名噴射距離噴射時間容量油性 / 水性
COUNTER ASSAULT CA290(ストロンガー、380g)約12m前後※メーカー表記約8秒前後※メーカー表記380g(NET重量290g)油性

FRONTIERSMAN

  • FRONTIERSMAN :大容量・長時間噴射。ヒグマ向けの定番。
製品名噴射距離噴射時間重量油性 / 水性
FRONTIERSMAN Bear Attack(SABRE)7~8m約5〜7秒本体300g油性

UDAP

  • UDAP 熊撃退スプレー:アメリカ森林警備隊採用品
製品名噴射距離噴射時間容量油性 / 水性
UDAP Pepper Power Bear Deterrent約9.1m(30ft)前後(メーカー記載)約4秒7.9oz(225g)油性
  • UDAP 熊撃退スプレー:国内最大容量規格品 380g
製品名噴射距離噴射時間容量油性 / 水性
UDAP Pepper Power Bear Deterrent約9.1m(30ft)前後(メーカー記載)約7秒13.4oz(380g)油性
シロ

在庫・並行輸入・価格は変動します。仕様(容量/噴射距離)は販売ページで必ず再確認してください

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国産クマスプレー

国産クマスプレーで有名なのは「熊一目散」です。何がここまで熊一目散を有名にしたのかと言うと「国産」と言うことです。そして、EPAの性能ガイドラインに準拠して設計されています!※EPA登録製品ではありません。
派手な外見も視認性が高く人気の秘密の一つです。


失敗しない選び方

ここだけは外せない4条件

  • 有効射程7–10m級(風に負けにくい“霧の壁”を作りやすい)。
  • 噴射時間6秒以上(複数回の突進や風、退避中の再噴射に備える)。
  • 油性表記:ヒグマ用途の“水”条件に強い。
  • EPA認定表記:EPA Registered Bear Sprayと言う文字が目印
シロ

クマスプレーと催涙スプレーの見分け方は、 
“bear deterrent”, “bear spray”, “bear pepper spray”, “bear mace” or “bear repellent”
の記載があるか無いかが一つの目安です。

サクラ

海外大手は“一撃の濃い霧”で止める思想です。
風下(かざしも)は自分に霧が戻りやすいので、可能な限り風上に正対しながら扇状に撒くが重要!


ヒグマに出会ったら

海岸にいるクマの様子

ヒグマに出会ったら慌てないことが大切ですね。私は過去に釣りをしている最中に出会ったことがあります。

サクラ

例えばこんなパターン!

①気が付いたら背後(50mぐらい離れた場所)にいた。
②川釣りで釣り上がっていたら川沿いにいた。
③林道を車で走っていたら出会った。×2回

などなど。
クマの痕跡であれば釣りに行けば場所によりけりですが沢山(笑)

山も沢山いますが、海にも沢山出没します!

ケースバイケースです基本の対応は以下です。

距離別

  • 50m超:声かけ・後退、退避優先。
  • 20–50m缶を構え準備、複数人は集まって威嚇。
  • 10m前後攻撃なら噴射(3秒以上)。EPA登録品の基準は距離25ft+6秒以上
  • 3–5m突進一気にバースト

噴射のコツ

  • やや下から扇状にクマの顔面へ連続噴射
  • 噴射後は後退しながら退避、必要なら追加噴射

アフターケア

  • 油性は残留しやすい。目は流水で、皮膚は石鹸水で洗浄。こすらない。
  • 航空機持ち込み不可/期限切れは適切廃棄。旅行の際はレンタル推奨!
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事前練習も大事!

私は仕事の関係で、試練習をさせられたことがあるので、クマスプレーってどんなものかは知ってるんですが、高価ですし、なかなかもったいなくて、噴射できませんよね。

クマスプレーを使ったことある方ならわかると思いますが、無風だと思ってもかなり、自分に霧状の辛み成分が飛んで来ます!

シロ

かかったらしばらくの間、痛いですし、目も開けられないし、ムセますよ(笑)

実は練習用のクマスプレーもあるので、不安な方は是非活用していただきたいです。


クマに出会わないために

クマに出会わないためには、いるところに行かないことが一番ですが、どうしても行く場面ってアウトドアスポーツをしていたらありますよね。
そんな時は色んなところにアンテナは張りながら歩くのがコツです。3点ほど例を挙げます。

フンを見つける

黒いクマのフン
植物を食べた痕跡

一番オーソドックスなヤツです(笑)
正直、見た目だとタヌキと違いがわからないことなんてプロの世界でもよくあります。判断できない時は、その辺の木の棒を見つけてツンツンして匂いを嗅いでください。
判断の一つとして、クマのフンはそこまで臭くないですが、タヌキのフンは臭いことが多いです(笑)

食痕を見つける

クマがフキを食べた食痕
縦に繊維が裂けている

クマはよくフキを食べますけど、鹿の食痕とはちょっと違います。
しかは、根本をプチっとかみ切って、サクサク葉っぱの方に向けて食べ進んでいくので、フキの傘の部分だけボトっと落ちています。
一方クマは、むしり取るので、繊維が縦に避けてるフキを見つけたら要注意です。

王道:足跡

釣り人の足と比較したクマの足跡
釣り人の足と同じサイズ

クマの足跡は、初心者でもほぼ一発でわかります!でかいです!
爪の跡も怖いですね…。
見つけたら退散しましょう!
その他、木を爪で引っ掻いた跡などありますが、いつの跡か、わかりずらいです。

鈴を使わない選択肢も

私は山に入る時、クマ鈴を使いません。理由は以下です。

  • 動物が歩く音が聞こえない
  • 定期的に声を出せばそれで済む
  • 一番の理由が、クマが威嚇の際に出す唸り声が聞こえなくなる

ためです。
鈴をしているとクマが最終的に、「これ以上近寄ったら襲うぞ!」って言う声が妨げられる可能性が大だからです。
ここは人によって考え方がわかれそうですが、個人の判断で参考にして下さい。

クマスプレー購入の考え方

  • 油性のメリット:油性は持続性・耐水性が高く、“辛み成分の霧”を形成しやすい。
  • ユーザー視点の不安:「自分にかかったら?」→洗眼・石鹸水で落とす、事前練習で誤噴射を防ぐ。
  • 購入の考え方
    • EPA認定か確認するのが手っ取り早い!
    • 最後にホルダー付きかをチェック

水性洗い流しやすい利点がある一方、ヒグマ用途の“雨・毛皮”条件では若干不利。しかし、住宅地や人混み重視の場面に限って選択肢としてはあり!
また、油性と水性を二本持参してアウトドアスポーツに出かけるのもあり!

30秒噴射のクマスプレーが話題になりました。

lilima bearのボトル
黒くてシンプルなデザイン

近年色々なクマスプレーが販売されていますが、30秒噴射のクマスプレーが話題になりました。
実はこれ、私も購入してみたのですが、EPA認定の商品と違って、バーストすると濃い辛み成分が大量の霧になって噴射される。って感じの商品ではなく、もう少し線が細い感じのバーストになります。
悪く言えば、的が狭い。良く言えば細く絞っている分、長く噴射できるです。

私個人は、油性の一発が強いスプレーと、この長時間バーストできるスプレーの2本を持ってアウトドアスポーツに行くのがわりとベストかな?と思っています。
と、言うのも、自分が風上にいる時、威嚇で風に乗らせて何回もバーストできるのが最大強みです。
さらに、線が細い分、風に乗って自分にかかりずらいのもメリットです。飛距離は無風で5mちょっとぐらいの印象でした。
つまり、わりと距離と時間にゆとりがある時に使いたい商品でした。

物は使い方ですので、この商品はこの商品で特長を生かして使うべきだなと思いました。

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30秒噴射できるクマスプレーが話題。釣り人が選ぶ“長い噴射”の理由と使い方 こんにちは、シロです!渓流をランガンしているとき、林道を歩いてるとき、「クマスプレーの噴射時間って実際どのくらい要るの?」って、ふと不安になることありません...

私の失敗談(超危険でした)

私の失敗談を書かせてください(笑)
もう15年ぐらい前に車中泊の準備をしていたんです。
その時、暗闇の中ごそごそと釣り道具を入れていた道具箱を触っていたら、安全ピンが外れていて車内で誤噴射してしまったことあったんです。もちろん、車中泊なんでできるような状態ではありませんでした…。

家に帰ってから道具箱を洗おうとお風呂場でお湯を使って、ごしごし洗剤を使っていた時、事件は起こりました…。

シロ

なんかおかしいな?

って感じたんです。
気が付いた時には、涙が止まらない、咳がとまらない、粘膜と言う粘膜が超痛い!

そう、辛み成分が、お湯を使っていたことで湯気と一緒に気化して、お風呂場がクマスプレー成分の密室状態に!!
もう、換気とかそんな次元じゃなかったですよ。屋外に出た成分で近所の方に通報されなくてよかったです(笑)

なの、クマスプレーを使った際には以下の処理をおすすめします。

服などに少量かかっただけであれば、冷水を使って石鹸等で洗い流す
大量にかかった場合は、かかった物ごと捨てる。

洗う際にはグローブ着用を推奨!その後、目を擦ったらしばらく泣きます。(何度も洗って数時間経った手でも無駄です…)


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まとめ

クマスプレーを購入する上で、油性の物を選ぶ、特にEPA公認のスプレーを選ぶことが、わかっていただけたでしょうか?
私はクマに何度も会いましたが、今のところ襲われたことはありません。運が良かったと言えばよかったのかもしれませんが、いつでも撤退する勇気があることが一番の要因かと思います。
このブログを読んでいるという事は、みなさんアウトドアスポーツが大好きな方達だと思いますが、クマとの距離感を大切にしていただきたいな、と思います!

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