日本で消えたカラフトマス。世界的はどうなってるの?国別20年データ

オスの鼻が曲がった遡上前のカラフトマスの画像

「最近、日本ではカラフトマス(ピンクサーモン)が本当に少なくなったなぁ…」
そんなふうに感じている方、きっと多いのではないでしょうか。

では、ちょっと視点を変えて世界全体を見てみたらどうでしょう。
「カラフトマスって、世界でも減っているの?」
「それとも、日本だけの話?」

実は答えは、とてもシンプルでした。
世界のカラフトマスは“ずっと減り続けている”わけではなく、ロシアやアメリカ(主にアラスカ)の豊凶によって、大きく増えたり減ったりを繰り返す“変動の大きい魚”なんです。

そこでこの記事では、NPAFC(北太平洋溯河性魚類委員会)が公表している公式データをもとに、直近20年(2005~2024年)のカラフトマス漁獲量を国別・重量ベースで整理しながら、
「世界ではいま、何が起きているのか?」を、調査してみました。

目次
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カラフトマス(Pink)漁獲量は世界でどう推移している?【直近20年・重量】

結論
直近20年の国別データを見ると、世界のカラフトマス漁獲量はロシアとアメリカ(主にアラスカ)でほぼ決まる構造です。2010年代後半以降は、大豊漁の年と急落の年が交互に現れる“高変動型”に移行しており、2024年は主要国がそろって落ち込む下振れ局面となりました。一方、日本とカナダは規模が小さく、世界合計を左右する水準にはありませんでした。

シロ

カラフトマスはもう日本国内では絶滅状態。しかし、世界に目を向けると違うものが見えますね。

参考資料:NPAFC Statistics: Pacific Salmonid Catch and Hatchery Release Data


直近20年(2005–2024年)の国別カラフトマス漁獲量

対象:商業漁獲/単位:トン(Round weight)/国合計

下の表は、NPAFC公開データを用い、

Species:Pink(カラフトマス)

Catch Type:Commercial(商業漁獲)

Data Type:Round wt (MT)(重量・トン)

Reporting Area:Whole country(国合計)

対象国:Canada / Japan / Russia / United States

で抽出・集計しています。小数は四捨五入。国合計の行が未掲載の年は空欄にしています。

スクロールできます
20052006200720082009201020112012201320142015201620172018201920202021202220232024
カナダ15,0811,50212,54938714,3511,24610,7011,13420,3586,5942,6723,8073,6496087864,4676501,2162,5142,259
日本15,89310,63823,03411,32217,06413,3889,3674,9597,4983,5043,36114,2042,56510,0752,2375,3982,0991,7669491,251
ロシア205,836199,580259,829165,023424,978201,446387,043293,018241,421147,805162,942264,998204,450506,829325,989172,820415,042144,833476,055135,637
アメリカ(主にアラスカ)252,707122,278229,874132,920147,906182,429187,965114,287321,280149,365293,29970,616238,38070,828192,95596,608222,766110,927213,88456,867

※単位:トン(商業漁獲・重量)。出典:NPAFC「NPAFC Catch Statistics 1925–2024」


データの読み解き(考察)

1)世界の大半は「ロシア」と「アラスカ」で決まる

表から明らかなように、ロシアとアメリカ(主にアラスカ)が圧倒的なボリュームを占めています。
この2国の豊凶が、その年の「世界のカラフトマス」をほぼ決定します。日本やカナダの増減は、世界合計に与える影響が限定的です。

シロ

え?カナダさん?実際はかなりの数が遡上してると思うのですが、実はあまりカラフトマスに興味ないのかしら?

2)“隔年変動”に加え、近年は振れ幅が拡大

カラフトマスは2年回帰の性質から奇数年・偶数年で山谷が出やすい魚種なのはみなさんご存じかと思います。
さらに2010年代後半以降は、当たり年は極端に多く、外れ年は一気に落ちるという“高変動型”が目立ちます。
例)ロシアは 2018年:約50.7万トン → 2024年:約13.6万トン、アメリカは 2015年:約29.3万トン → 2024年:約5.7万トン と、ピークとボトムの差が非常に大きい。

3)2010年代後半~2020年代は「大豊漁」と「急落」の反復

  • ロシア:2018・2021・2023年に超大規模、2022・2024年に急落
  • アメリカ:2015・2017・2021・2023年が高水準、2016・2018・2020・2024年が低水準
    海洋環境(餌資源、表層水温、回遊経路)の年変動に対する感度が高まっていることや奇数年が高水準なのが伺えました。
サクラ

やはり奇数年…。とも思うけど、
うーん。今後どうなるんだろう?

4)日本・カナダは規模が小さく、回復の兆しも弱い

この資料だけで判断すると、日本とカナダはいずれも数千~数万トン規模で推移しており、世界合計を左右する水準ではありません
特に日本は、2010年代以降低位安定が続き、明確な回復トレンドが見えにくい状況です。

シロ

少なくても良いから、北海道に帰ってきて欲しいのが、一釣り人としての願いです。

5)直近(2024年)は主要国が同時に低下

2024年は、ロシア(約13.6万トン)・アメリカ(約5.7万トン)ともに大幅減。主要2国が同時に落ち込んだため、世界的にも“下振れ局面”と評価できそうです。


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まとめ

今回はNPAFC公表の資料をもとに、国別、商業漁獲にだけ的を絞って分析してみました。

直近20年の国別推移から、カラフトマスの世界漁獲量はロシアとアメリカの豊凶に強く依存していることが分かりましたね。2010年代後半以降は、当たり年の巨大化と外れ年の急落が交互に現れる高変動型へ移行し、2024年は主要国がそろって低下した。日本とカナダは規模が小さく、世界合計を左右する段階にはないが、回復の兆しが弱い状況が続いている。ただ、そこまで大きな減少は世界的には感じられない。
そんな印象を受けています。

さて、今後日本のカラフトマス。どう変化してくるのか。 色々議論はありそうですが、上手に付き合える未来があると良いですね。

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