結局止別川って河口規制あって効果あった?

止別川の河口付近を背景に、サケのシルエットを配置した構図

止別川のサケ、ここ数年で「増えたの?」って疑問に思ったことありませんか?
そして、「河口規制が厳しくなったけど、結局どうなったの?」という疑問もよく聞きます。

今回は、北見管内さけ・ます増殖事業協会の事業報告にある“捕獲場別さけ捕獲数(1989〜2024)”という実データをもとに、
河口規制は本当に効果があったのか、そしてその増減は“北海道全体の波”なのか、“止別川固有の変化”なのかを、できるだけわかりやすく分析してみました。


目次
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まず事実から:止別川のサケは本当に増えた?

釣り上げられたサケ

北見管内さけ・ます増殖事業協会の「捕獲場別さけ捕獲数(平成元年〜令和6年)」を見ると、止別川(捕獲場:止別)は次の特徴があります。

  • 2017年:16,562尾(低水準)
  • 2018年:29,948尾
  • 2019年:55,019尾
  • 2020年:66,868尾
  • 2021年:47,046尾
  • 2022年:106,960尾
  • 2023年:98,783尾
  • 2024年:75,100尾

2017年の底から、2019年以降に急回復し、2022〜2023年は10万尾規模。

サクラ

数字だけ見れば、「増えた」は事実なんだね!

参考:北見管内さけ・ます増殖事業協会 第12事業年度事業報告書


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止別川の河口規制は「いつから」?

みなさんの記憶に新しいと思いますが、止別川では、

  • 2018年ごろ:委員会指示として運用が強化
  • 2019年(令和元年)6月1日:規則改正により制度化

現在は、

  • 規制期間:5月1日〜12月10日
  • 規制範囲:河口を中心に左右岸・沖合とも約1,000m

という、北海道内でもかなり厳格な河口管理が続いています。

シロ

サクラマスも含めた、サケ・マスをこの河口で釣るのはかなり厳しい現状ですね。


河口規制の「仕様」と「機能」

仕様(ルールの中身)

  • 河口周辺の一定範囲でサケ・マスの採捕を禁止
  • 春〜初冬までの長期間規制

機能(何に効くのか?)

ここが最重要ポイントですが、

河口規制は、
「海にいるサケの数を増やす制度」ではなく、
「戻ってきたサケを、どれだけ川に残せるか」です。

言い換えると、
来たサケを“取りこぼさない仕組み”と言えるでしょう!


河口規制は「良い方向に進んだ」のか?

データで言えること

みなさんが、一番気になるところだと思いますが、2019年の制度化以降、止別川では高水準の年が続いています。

  • 2020年:66,868尾
  • 2022年:106,960尾
  • 2023年:98,783尾
  • 2024年:75,100尾

1989〜2018年の平均と、2019〜2024年の平均を比べると、後者は2倍以上

シロ

「規制後に数字が伸びている」こと自体は、実データで確認できましたね!


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ただ、「河口規制だけの成果」とは断定できない

サケの増減は、

  • 海水温
  • 親潮の強弱
  • 餌環境
  • 回遊ルート
  • 年級群(生まれ年の当たり外れ)
    といった、広い海の環境要因に強く左右されます。

つまり、

シロ

「サケが増えたから、止別川でも増えた」可能性は高い。
したがって、「河口規制のおかげでサケが増えた」と断言することはできないと思われます!


川の増減は「全道の波」か「止別固有」か?

ここからが、今回の“もう一段深い”分析です!
止別川の増減は、北海道全体の波(マクロ要因)なのか、止別川固有の要因(ローカル要因)なのかを、斜里川・常呂川との比較グラフで切り分けてみました。


全道の波(マクロ要因)

全道波VS止別固の指数グラフ
イメージ図

2019年以降、北海道全体で来遊が回復した年があり、止別川の増加時期はその“全道の波”とほぼ一致しています。
実際、3河川(止別・斜里・常呂)を2017年=100の指数にそろえて比較すると、同じ年に同じ方向へ動く“波”が確認できます。

結論
👉 基本構造として、止別川も「北海道全体の波」に乗っている。


それでも「止別固有」が疑われるポイント

1. 回復の立ち上がりが早い

止別固有が見えやすい比較:増え方(倍率)の違い
イメージ図

2017年 → 2019年の増え方(倍率)を比べると、

  • 止別:3.32倍
  • 斜里:2.16倍
  • 常呂:0.67倍

止別の立ち上がりが最も鋭い。
👉 「止別固有の要因が効いているのでは?」と疑えるポイント。

2. 豊漁年の“取り切り”が強い

止別川の“取り切り”の強さ:3河川合計に占める止別の割合
イメージ図

2022年・2023年は全道的にも当たり年でしたが、止別川は“当たり年の中でも上位”
さらに、3河川合計に占める止別の割合(シェア)を見ると、当たり年に止別の比率が上がる年があることが分かります。

シロ

これは、
「増えた年に、しっかり川に残せている(=取り切れている)」可能性があります。


結論

ここまでのデータを整理すると、

止別川の増減は、基本的には「北海道全体の来遊の波」に連動している。
ただし、河口規制は“来たサケを逃さない装置”として機能していて、豊漁年の成果を押し上げている可能性が高い。
つまり、河口規制は「増やすための規制」ではないが、「減らさない仕組み」としては機能している可能性は高い。

これが、過大評価も過小評価もしない、客観的な結論かと思います。


これからの止別川はどうなる?

シナリオ
海況が並〜良好

→ 来遊が回復
→ 河口規制で「取りこぼしが少ない川」として安定
増殖事業の持続性が高まる

シナリオ
海況が悪化

→ 全道的に来遊減
→ 河口規制があっても「ゼロを1にはできない」
→ ただし、親魚確保の下支えにはなる

シナリオ
管理と技術の進化

→ 放流手法の改善、遺伝的多様性管理、親魚運用の高度化
→ 河口規制と組み合わせることで
「波に強い川」へ進化する可能性


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まとめ

  • 止別川の捕獲数は、2019年以降に大きく回復
  • 増加の主因は北海道全体の来遊の波
  • 河口規制は、「増やす制度」ではなく「減らさない仕組み」
  • それでも、止別川が“成果を取り切る川”になっている可能性は高い

止別川の河口規制は、資源管理として“合理的”で、データとも整合していると、私個人は感じています。
ただ、実際のところの話がこの資料だけでは見えてこないのが現状で、もしかすると、近年捕獲の回数を増やしたとか強化したとか現地での試みがあるかもしれません。
たくさんサケが釣れる河口だったので、釣れなくなったのは残念ですが、激減する北海道のサケの、増加する起爆剤となって欲しいところです。

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