「そろそろ後志海区の漁業調整委員会議事録が公開されてそう」そう思って、ちょっと調べてみたら――委員会の議事録が、想像以上に熱かった!
今回はその議事録を釣り人目線でガッツリ読み込んで、「何が決まったのか」「釣り人の意見はどう扱われたのか」「今後どうなりそうか」をまとめてみたいと思います。
そもそも「河口規制」って何?

今回、ここで言う河口規制とは、川の河口付近で、サクラマスなどの魚を一定期間採捕することを禁止する「委員会指示」のことです。
サクラマスは春になると川に遡上して産卵しますよね。河口付近で根こそぎ釣られてしまうと、川の上流まで行けない魚が増えて、産卵数が減り、将来の資源量が減ってしまう、という考え方が規制の根本的な考えの一つかと思います。
北海道漁業調整規則ではもともと5月以降は禁漁となっていますが、この委員会指示によって、4月1日からさらに1ヶ月前倒しで規制が入ります。対象は後志管内の6河川(珊内川・古宇川・尻別川・千走川・野束川・泊川)で、令和8年(2026年)10月31日まで継続されます。
今回の委員会、何が変わったの?
今回の委員会のポイントはいくつかあります。一番大きな変更点は「対象種の見直し」です。
当初の委員会指示案では「さけ・ます」と書かれていた対象種が、委員会の審議を経て「さくらます」のみに変更されました。
これは釣り人からパブリックコメント(意見公募)で「趣旨がサクラマスの遡上促進なのに、なぜさけ・ますと広く書くのか」という指摘があったことを受けたもの。意見がちゃんと反映された形です。
シロ釣り人の意見が文言に直接影響した、これは地味にすごいことだと思う。前回(令和4年)はパブコメが多々ありましたが、オールスルーな感じでしたね。それと比べると一歩前進!
パブリックコメントと公聴会、どんな意見が出たの?
今回は令和8年1月29日〜2月28日にパブリックコメント(意見公募)を実施し、7名から意見が寄せられました。また2月19日には公聴会も開催され、こちらにも7名が参加。さらに遊漁団体(釣り人の団体)への事前説明も行われました。
北海道のホームページにパブリックコメントと、公聴会の記録、遊漁団体の意見、海区委員会の考え方がアップされています。
河川の河口付近におけるさけ・ます採捕の制限に係る石狩後志海区漁業調整委員会指示(案)に関する意見募集結果に対する海区委員会の考え方について
意見の内容は、大きく2方向に分かれていました。
規制継続・強化を求める意見(漁業者・一部釣り人)
- 親魚(産卵する大人の魚)の確保のために規制は必要
- 野生魚(自然産卵で生まれた魚)の割合が高く、遡上を促進することが重要
- 令和7年は計画を下回った河川が多く、まだ資源は不安定
- 規制がないと釣り人が殺到し、環境破壊や近隣住民への迷惑が起きる
規制に反対・疑問を呈する意見(一部釣り人)
- 河口規制で漁獲が増えるという科学的データが不明確
- 資源減少の原因は砂防ダムや護岸工事、地球温暖化など別要因では?
- 尻別川・千走川はわかるが、他の川の規制の必要性がよくわからない
- 自然産卵を促すなら、まず魚道や産卵床の整備が先では?
- 規制期間は親魚が遡上する5〜6月に設定すべきでは?



今回の意見、「科学的根拠が弱い」という指摘が複数あったのが印象的だった。漁業者も釣り人も「資源を守りたい」という気持ちは同じなのに、データが不足しているから議論がかみ合いにくい。この点は委員会側も認めていて、今後専門家を交えて検討するとのこと。
釣り人が自前で統計分析して提出した意見が話題に
今回最もボリュームのある意見を出したのは、なんと自ら統計分析を行った釣り人。
その内容は、河口付近の採捕以外にも親魚捕獲に影響する大きな要因がある可能性を示唆するものや、親魚遡上の時期(水温データや漁獲統計)から規制期間は5〜6月が妥当では?という指摘、さらに令和4年の意見募集手続きに問題があったのでは?(法定期間より短い募集期間)など、多岐にわたる内容でした。
道民意見提出手続の意見募集結果(募集期間:令和8年1月29日~2月28日) (PDF 1.47MB)



専門家かどうかわかりませんが、ここまでやる人がいるとは……私もブログであれこれ書きますが、釣り人の情熱、すごすぎる!
委員会はどう答えたか?海区委員会の考え方まとめ


寄せられた意見に対し、海区委員会は以下のような考え方を示しました。
科学的検証について
令和4〜7年の河口規制の効果は、ふ化放流事業の親魚捕獲計画に対する実績から検証している。ただし資源変動には複数の要因があることを認め、今後は専門家の意見を聞きながら科学的なデータ分析を検討する。
河川環境の整備について
魚道の維持管理や産卵床の整備など、河川環境の整備についても関係者と情報共有し連携していく。
周知・ルール徹底について
看板設置や関係機関への周知を継続。陸釣りライセンス制の先行事例を情報収集し検討する。
対象種の見直し
当初「さけ・ます」としていた対象種を「さくらます」に修正して発動。釣り人の指摘が正式な文書に反映された形です。
今後の規制見直し
令和8年10月31日までの規制期間中の取組状況を踏まえ、専門家の意見を聞きながら関係者と協議する。
委員から出た生の声もすごかった
議事録には委員たちのリアルな議論も記録されています。いくつかご紹介します。
【委員Aさん】「サクラマスはもう3月から遡上している。4月1日から規制しないと川に入る魚の数が少なくなる。内水面水産試験場の報告でも、川を遡上する魚のうち自然産卵の割合がすごく高い。河口規制は重要だ。」
【委員Bさん】「岩内の野束川も釣り人が多く来る。釣り人は釣り針を捨てたり、糸が切れてもそのまま放置するから、ウェットスーツに刺さる。スーツに穴が開いたりして本当に困る。」
【委員Cさん】「規制対象ではない川でもサクラマスが遡上している。折川や大平川でも見られている。漁業者は許可がないと魚を獲れないのに、釣り客はマナーが悪すぎる。もっと厳しくしてもいい。」



1人30〜40尾とった釣り人の話もありましたが……それは確かに問題あるよね。
ルールを守っている釣り人としては、こういう人たちのせいで規制が厳しくなるのは正直つらい。でも漁業者側の気持ちも理解できる。難しいところです。
今後はどうなる?私が感じた「空気感」


議事録を読んで、私が個人的に感じた「これから起きそうなこと」をお伝えします。あくまで個人の見解・予測であり、確定情報ではありません。
朱太川に委員会指示が追加されるかも?
議事録の中で委員が「朱太川が対象に入っていないのはなぜか」と質問しています。担当課長は「今後検討させていただく」と回答しました。
現状、朱太川は北海道漁業調整規則で5月以降は禁漁になっていますが、4月から前倒しする「委員会指示」は出ていません。委員から明確に要望が出た以上、来年度の審議では議題に上がる可能性が高いと感じます。朱太川で4月に釣りをされている方は、来シーズン以降の動向を要チェックです。



朱太川は後志のサクラマス釣りでも人気スポット。もし4月から規制が入るとなると、釣り人には大きな影響が出そう。ただ、資源を守る視点で考えると、議論の余地はありそう。
サケの河口規制も新たに追加されそうな雰囲気
議事録の最後で、委員から「サケの河口規制を新規に設けてほしい」という発言がありました。会長も「来年度以降のサケの来遊予測が今年より悪化する中、きちんと検討してもらいたい」と前向きな姿勢を示しています。
サケの来遊数は近年不安定で、資源管理の必要性が高まっています。サケ釣りも将来的に規制強化の方向で議論が進む可能性があります。



サケの河口規制は今回まだ正式な議題にはなっていないけど、「検討する」という雰囲気は確実にあった。サケ釣りファンとしては気になるところ。来シーズン以降の委員会情報はチェックしておきたい。
あれだけサケが不漁ならこんな話が出てくるのも当然の話です。
陸釣りライセンス制の議論が本格化するかも
委員会でも遊漁者からのパブコメでも、複数の人が「陸釣りライセンス制を導入してほしい」と言っています。課長も「先行事例を調べて検討する」と回答。すぐに実現はしないでしょうが、議論には上がっています。個人的には、ライセンス制があることで「ルールを守る意識」が高まるのはいいことだと思います。
同時に、集まった収入で魚道清掃や環境整備に充てられれば、釣り人にも漁業者にもメリットがある。ただ、それは誰がどのようにやるの?と言う、新たな問題も…。
まとめ|釣り人と漁業者が真剣に向き合えた一歩
今回の決定事項
- 後志6河川のサクラマス河口規制(委員会指示)を継続(令和8年10月31日まで)
- 対象種を「さけ・ます」から「さくらます」に修正
今後の注目ポイント
- 朱太川の委員会指示追加の可能性
- サケの河口規制の新規追加の検討
- 科学的データ分析の本格化(専門家交えて)
- 陸釣りライセンス制の先行事例調査・検討



前回(令和4年)より意見の数は少なかったけど、内容はかなり濃かった。釣り人が自分で統計分析して提出したり、漁業者が現場の実態を具体的に語ったり。結果として規制は継続されたけど、それよりも「みんなが真剣に向き合った」というプロセスが大事だと感じました!
これはお互いに一歩前進ですね?
釣りが好きだからこそ、資源の話から目を背けたくない。委員会の議事録、難しい言葉も多いけど、ぜひ一度読んでみてください。あなたが釣っている川のことが書いてあるかもしれません。
変更内容は些細なことかもしれませんが、筋を通せば、お互いの未来を変えられる、貴重な機会だと感じました。

