さくらます船釣りライセンス制とは
北海道の寒い冬から春の海で楽しめる「さくらます船釣り」。特に後志管内では、例年5キロ超えるの板マス・モンスターサイズが釣れていますっ!このためこの海域でのサクラマス船釣りは大人気となっていますね。
この貴重な資源を守るために「さくらます船釣りライセンス制」が導入されています。これは、乱獲を防ぎ、長期的に安定した釣り環境を確保するための重要な制度です。
本記事では、その制度の詳細や取得方法、守るべきルールなどをわかりやすく説明します!
制度の概要と目的
さくらますは北海道を代表する人気の魚ですが、無秩序な乱獲が続けば資源が枯渇する恐れがあります。そのため、後志管内では「さくらます船釣りライセンス制」を導入し、一定のルールのもとで釣りを楽しめるようにしています。この制度の主な目的は、
- さくらます資源の保護と適切な漁場利用調整
といった点にあります。
対象となる海域と期間
ライセンス制が適用されるのは、後志管内の特定の海域です。この海域での釣りには、ライセンス取得が必須となります。また、釣りが許可されている期間は、例年3月1日から5月15日までとなっております。この期間外に船釣りをすると他の魚種を狙っていてもサクラマスが釣れる場合があるので、事前にライセンスの取得が必要となります。
ライセンス取得の手続き方法
申請の流れ
ライセンスを取得するには、事前に申請手続きを行う必要があります。具体的な流れは以下のとおりです。
- 申請書を入手(北海道後志総合振興局のサイトで様式をダウンロード、所属団体、実行協議会事務局)
- 必要事項を記入し、必要書類を準備
- 指定の窓口または郵送で提出(石狩後志海区漁業調整委員会へ)
- 審査後、ライセンスが交付
ライセンスは個人ごとに発行されるため、船長や釣り人それぞれが手続きを行う必要があります。
必要書類と提出期限
申請時には、以下の書類を用意する必要があります。
- 申請書(北海道後志総合振興局のサイトで様式をダウンロード、所属団体、実行協議会事務局)
- 船舶検査証書の写し
- 海技免状(小型船舶操縦士免許)の写し
- 船舶検査証書、海技免状(小型船舶操縦士免許)を必要としない船(2馬力ゴムボートなど)は、住民票(発行日から3ヵ月以内)
提出期限は原則として、令和7年度は2月3日までに提出してください。ただし、その後も申請は受け付けていただけますが、さくらます船釣りを開始する日の概ね2週間前までに提出してください。
※ライセンス取得対象船は総トン数20トン未満の動力船(船外機付きゴムボートを含む。)
2馬力ゴムボートの場合の申請書書き方
2馬力ゴムボートで釣行される方もいらっしゃると思います。それ以前に、免許がいらない2馬力ゴムボートでライセンス取得ってできるの?って言う方もいらっしゃると思います。
結論的にはで2馬力ゴムボートでライセンス取得は可能です!
私が例年記載している例が以下になります。

2馬力ゴムボートでサクラマス釣りをしたい方って多いんです!


ゴムボートのメンテナンスも忘れずに!
海に行ったけど、インペラが固着していた、エンジンがかからなかった、空気が抜けてしまう。
なんて、命にかかわるようなトラブルを回避するためにメンテナンスも重要です!
バルブの状況も確認しておきましょう!


実行協議会への協力金
ライセンスの申請取りまとめに際し、後志管内さくらます船釣りライセンス制実行協議会に対し、次の協力金を納め
ることになっております。協力金は以下です。
遊漁船業者・遊漁兼業者 | プレジャーボート所有者 | 漁業者 |
---|---|---|
30,000円 | 5,000円 | 3,000円 |
申請先と問い合わせ先情報
●ライセンスの申請先は、石狩後志海区漁業調整委員会
住所:〒044-0001 北海道虻田郡倶知安町北1条東2丁目 後志総合振興局内
電話 0136-23-1395 FAX 0136-22-0914
●ライセンス料金の出納管理に関すること
後志管内さくらます船釣りライセンス制実行協議会事務局 (小樽市漁業協同組合内)
電話 (090)7709-6923 FAX (0134)64-7581
●海区漁業調整委員会の指示、及びライセンス承認・標旗発送に関すること
北海道後志総合振興局産業振興部水産課漁業管理係 電話 (0136)23-1394 FAX (0136)22-0914
ライセンス取得後の遵守事項
申請は毎年必要
ライセンスの申請は毎年必要になります。
ライセンス申請時に取得したフラッグを毎年使おうとするのはダメです。バレます。何故なら


釣行時に、船につけるフラッグの色は毎年違うんです!(笑)
ルールはちゃんと守りましょうね!
BMO JAPAN ステンクランプ式フラッグポールシステム 30Z0042
船釣りのルールとマナー
ライセンスを取得したら、以下のルールを守る必要があります!必ず守りましょう!
- ●釣獲時間
-
「さくらます船釣り」が出来る時間は、日の出から日没まで。
- ●漁具及び漁法の制限
-
竿釣りで、同時に使用できる竿数は1人1本。
- ●釣果の制限
-
1日に釣ることのできる「さくらます」は1人10尾以内。
- ●釣果の報告
-
釣獲終了後に必ず船長に釣果を報告。
- ●漁具被害の未然防止
-
敷設中の漁具に被害を与えないように注意する。
- ●放流又は廃棄の禁止
-
釣獲したさくらますは持ち帰ることとし、放流又は廃棄していけない。
(全長20cm未満は採捕を禁止されています。) - ●販売等の制限
-
販売又は他の物との交換を目的として、さくらます船釣りを行ってはいけない。
- ●海区委員会の調査
-
石狩後志海区漁業調整委員会が調査を行う場合は、これに協力しなければならない。
- ●その他
-
・遊漁者によるトローリング(へら曳き、曳き縄釣り)は北海道海面漁業調整
規則により禁止。
・海上では、必ず救命胴衣を着用する。
やってしまいがちなのが、日の出前に出航して釣ってしまうことや、10尾以上の釣果。
そして、特に気を付けたいのが漁具被害。
2馬力ボートなどではプロッターが無い場合もあるので特に注意です。波が高くなるとブイも見えづらくなるので、常に周りに注意したいとろです。
対象の海域
後志のさくらます船釣りライセンス制の対象海域は以下の図になります。
かなり範囲が広いです。逆に言うとこの一つのライセンスでこれだけのエリアでサクラマス釣りが楽しめることになります。
画像引用:北海道後志総合振興局ホームページより
釣果報告の義務と方法
釣りが終わった後は、5月31日までに指定の方法で釣果を報告する義務があります。ライセンス証のフラッグと同封して釣果報告書も送ってくるのでそれを使うことになります。
報告しない場合、次年度のライセンス取得が困難になることがあるため、注意が必要です。
ちなみに私は釣行にも行かなかったので0匹だった年があって、0匹なので報告しなくていいや。と思っていたら電話がかかってきたことがあります(笑)
0匹でも報告しましょう!
ライセンス協力金の用途
ライセンス協力金は支払ったけど、なんかもやもやする(笑)なーんて方もいらっしゃるかもしれません。この協力金の用途は、章旗や啓発ポスターの作成などに使われるほか、漁業団体が取り組むふ化放流事業への協力金として、さくらます増殖事業にも活用されています。
令和6年度については、1,100,000円ものお金が増殖事業に活用されています。この金額は協力金収入の1/3にもあたる額です。
仮にもし釣れなかったとしても、さくらますの増殖事業に寄付したぐらいの気持ちでいましょう(笑)



ふ化放流事業に使われるのは嬉しい!
さくらます釣りを楽しむためのポイント
おすすめの釣りスポットと時期
後志管内には多くの魅力的な釣りスポットがあります。特に積丹半島周辺などが人気です。また、サクラマスがよく釣れるのは、3月から4月そして5月になります。
4月に関しては5キロ越えの板マスチャンスです!
5月はジギングやバケ釣りよりキャスティングで釣る方が楽しめると思います。
積丹半島付近については、比較的ボートも多く、仮に船にトラブルがあってもなんとかなる可能性が高いのが人気の一つの理由ですが、トラブルは絶対に起こるもの。起こった時にどうするか?は船乗りとして必ず準備をして出航してください。
釣り方と安全対策
サクラマス釣りを船で楽しむためには、以下の方法があります。
- ジギング
-
比較的柔らかい、食い込みの良いロッドで狙います。ジグは深さ、潮、風、乗船する人にもよりますが、140g程度を使うアングラーが多いです。ベイトリールで狙うアングラーが多いですがスピニングリールでの釣りも可能です。手返しが早く、ライントラブルも少ないメリットもあります。
- バケ
-
バケに毛ばりを付けて狙う方法が一般的です。バケは重いため、体力の消耗が激しいですが、針数が多く、広く棚を探れるため釣果はアップしやすい傾向にあります。しかし、ホッケやタラなどが多い日はサクラマス釣りどころではなくなる可能性も大です。
- キャスティング
-
近年人気急上昇のボートキャスティングです。シーズン中盤~終盤に人気です。難易度も高いですが、その分ゲーム性も高いです。しかし、キャスティングスキルがないと、他の人のロッドを引っ掛けて折ったり、フックを人体に刺したりなど危険が伴うため、初心者にはおすすめできません。遊漁船の場合は、必ず船長の指示に従ってキャスティングして下さい。
また、天候の急変に備えて、事前に天気予報を確認し、無理な釣行を避けましょう。船は大変揺れるので防寒をしっかりした上で、船用の長靴があると良いでしょう。
平成16年度からの釣果実績
実際どれぐらい釣れているのか?って言うのは釣り人としては気になりますよね!
北海道後志総合振興局が公表している、さくらます船釣りライセンス制での釣果実績をまとめると下記のようになります。
年度 | 釣行数(人) | 釣果数(尾) |
---|---|---|
H16 | 5262 | 8425 |
H17 | 4248 | 9889 |
H18 | 3932 | 4649 |
H19 | 2630 | 3338 |
H20 | 4006 | 8115 |
H21 | 2644 | 5687 |
H22 | 3095 | 7761 |
H23 | 2813 | 8366 |
H24 | 2000 | 5853 |
H25 | 2252 | 9735 |
H26 | 695 | 333 |
H27 | 925 | 793 |
H28 | 3015 | 10660 |
H29 | 1093 | 633 |
H30 | 3068 | 12826 |
H31 | 3505 | 10275 |
R2 | 4213 | 11731 |
R3 | 4676 | 10657 |
R4 | 3381 | 4249 |
R5 | 2978 | 3268 |
R6 | 2402 | 1453 |
H30年度からR3年度は1万匹以上の数が釣れていることがわかります。
近年は釣り人の数も少なくなっており右肩下がりの状態が続いています。
まとめ
ライセンス制度の重要性と遵守の呼びかけ
さくらますの資源を守るためには、ライセンス制度の遵守が不可欠です。この制度を正しく理解し、ルールを守ることで、今後も楽しい釣りが続けられるようになります。ぜひ、ライセンスを取得し、安全で楽しいさくらます釣りを満喫しましょう!