秋さけ北海道の漁獲量はなぜ減少?赤潮被害から2026年の回復予測

朝焼けをバックに釣り人が竿を持っているアイキャッチ画像

「最近サケが釣れないよね……。」
そんな声をあちこちで聞くようになりました。
実はデータでも、ここ数年の秋サケ漁は大きく落ち込んでいるんです。

この記事では、令和元年(2019)〜令和7年(2025)の「秋さけ沿岸漁獲速報(10月10日現在)」をもとに、

  • どの海域で減ったのか
  • なぜ減ったのか(赤潮など自然現象も含めて)
  • そして2026年にどう回復していくのか

を、釣り人目線で個人的見解を過去の北海道秋さけ漁獲速報(旬報)のデータをもとに解説します。
参考資料:北海道ホームページ北海道秋さけ漁獲速報(旬報)

目次
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全道の漁獲尾数(10月10日現在)※各年同期比

正直、今シーズンの秋サケ釣りにおいては、序盤はそれなりに良かった印象。しかし、実際に蓋を開けてみるとそこから急降下した感じでしたね。
漁を自粛して遅らせた地域も複数あり、漁師さんの努力もありましたが、それでもかなり減少しています。
令和元年を基準に比較していきます。

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総尾数(尾)前年増減
令和元年 (2019)11,401,000(基準)
令和2年 (2020)12,746,219+1,345,219
令和3年 (2021)13,454,949+708,730
令和4年 (2022)20,524,243+7,069,294
令和5年 (2023)13,520,172−7,004,071
令和6年 (2024)9,562,242−3,957,930
令和7年 (2025)3,916,089−5,646,153

→ 2022年(令和4年)をピークに3年連続で減少。

レイン

特に2025年は過去7年間で最少の水準です…。

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漁獲金額(10月10日現在)※各年同期比

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総金額(千円)前年増減
令和元年 (2019)21,206,000(基準)
令和2年 (2020)26,927,135+5,721,135
令和3年 (2021)35,399,058+8,471,923
令和4年 (2022)47,980,442+12,581,384
令和5年 (2023)25,958,338−22,022,104
令和6年 (2024)28,605,787+2,647,449
令和7年 (2025)15,025,817−13,579,970

→ 金額でも2022年がピーク(約480億円)。

サクラ

しかし赤潮世代が成魚になる2025年には150億円まで激減。
赤潮のお話はあとで説明するね。

海域別の特徴(令和元年〜7年)※各年同期比

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根室オホーツクえりも以東えりも以西日本海
令和元年 (2019)1,955,5536,210,6641,010,437932,1011,292,245
令和2年 (2020)1,179,8377,618,732886,515682,8862,378,249
令和3年 (2021)1,175,1579,040,172723,049300,6582,215,913
令和4年 (2022)1,773,68913,292,827916,799457,3094,083,619
令和5年 (2023)1,443,3219,814,803909,417117,5391,235,092
令和6年 (2024)1,283,4826,788,302683,52173,695733,242
令和7年 (2025)252,9002,589,345354,534236,181483,129

→ 主力のオホーツク・根室が減ると全道全体も大きく落ち込む。

シロ

えりも以東は低水準だけど、R7を除き比較的安定している感じ。

2021年の赤潮「カレニア・セリフォルミス」の影響

2021年秋、道東沖でカレニア・セリフォルミスという微細藻類(赤潮プランクトン)が大量発生。
海が赤茶色に濁り、酸素が減って魚が窒息する現象が起きました。

  • 発生場所: 釧路〜十勝〜根室沖
  • 期間: 2021年9月〜11月
  • 影響: サケ・ホッケ・ウニなど多くの魚介類が死亡

この赤潮は観測史上最大級で、サケ関連被害だけで10億円を超えたとされています。

そして秋サケは海で3〜5年過ごすため、この年に影響を受けた魚が2025年に戻るはずだった世代です。
そのため、2025年の極端な不漁は「赤潮世代」の影響が大きいと私は考えています。

シロ

この年はサケだけじゃありませんでしたね。ウニなどの海産物が大ダメージです。まさに死の海となりました。

2026年に期待できる“4年魚回帰”

サケはみなさんご存知のとおり、平均して4年で海から戻ってくる魚。
つまり、2022年に豊漁で生まれた稚魚が2026年に戻ってくる可能性が高いのです!

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主な回帰世代特徴
2025年2021年放流群(赤潮世代)生残率が低く不漁
2026年2022年放流群(豊漁世代)4年魚の回帰で回復が期待
2027年2023年放流群平年並みに戻る可能性

→ つまり、2026年は赤潮被害を乗り越えた世代が戻る「希望の年」。
えりも以東では冷たい親潮が入りやすく、赤潮の影響も少なかったため、
まずこのエリアから回復傾向が見える可能性があるんじゃないのか?と思っています。

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今後の釣り人が注目すべきポイント

海況をチェック

水温15℃以下がサケ接岸の目安。
秋の冷え込みが早いほど釣れるチャンスが増えます。

赤潮情報を見る

海が赤茶色なら酸素不足で魚が避けます。
ニュースや水産試験場の速報を確認しましょう。

えりも以東の動きを追う

回復の初動はこのエリア。
釣果情報サイトやSNSの写真投稿も有力な情報源です。

夜明けを狙う

光の変化と潮の転流が重なる時間帯は活性が最も高まります。

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まとめ:赤潮世代を越えた2026年は回復の年へ

海水温や餌などの影響も大いにあると思いますし、オホーツクや日本海方面の説明には難しいと思いますが、2025年の不漁を生んだ原因の一つとして2021年の赤潮が考えられると思っています。
しかし、2022年の豊漁世代(放流群)が2026年に回帰予定だと思うと期待大です!
まずはえりも以東から回復できたのであれば、翌年以降オホーツク・根室へ波及する可能性があるのでは?と釣り人目線で推測しています。
えりも以東で跳ねが見え始めたら、それが北海道全体の回復サインになるかもしれませんな!

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