こんにちは!シロです。
そろそろサケの遡上(そじょう)もピークを終える頃ですね。
でも、今年はどうも様子が違います。日本海側では漁獲量が例年に比べてガクッと減少。
「千歳川のサケたちはどうなっているんだろう?」
そんな疑問を抱いて、私は実際に現地へ行って確かめてきました。
千歳さけますの森で感じた「サケの原点」
まず向かったのは、千歳さけますの森 さけます情報館。
ここは明治21年、官営千歳中央ふ化場として始まった、日本のサケふ化放流の“原点”ともいえる場所です。
現在も日本最大級のふ化放流施設が稼働していて、北海道のサケ資源を支えています。
砂利道をとことこ進み、木々の中に見えてくる「さけます情報館」の看板。

駐車場は13台ほどとこじんまりしていますが、雰囲気は静かで落ち着いています。

展示棟に入るとまず出迎えてくれたのは、ヒメマスの水槽。
偶然居合わせたスタッフさんが息子を呼んでくれて、なんと餌やり体験まで!

検卵体験、サケの重さ体験、塗り絵やクラフト体験など、親子でサケの一生を楽しく学べる工夫が満載です。




もちろん、大人向けの展示もありましたよ!


さらに隣の体験施設では、まずはクイズゲームができます!


続いて、サケ稚魚のタッチ体験や体色変化観察など、実際に“手で感じる学び”がありました。


我が子は冷たい水にビビりつつも、笑顔で手を突っ込んで大喜び。
さらに、また餌やり体験と、シーズン限定かな?帰って来た鮭のタッチ体験もできました。


そして最後は、ヤマメ2匹を放流。

流しそうめん式で川まで泳いでいくのですが、ドボンと川に落ちた瞬間、「バシャッ」と音が…もしかして捕食?(笑)鳥なのか、大型の魚なのかは謎ですが放流したヤマメを待ち受けていましたかね…。

自然の厳しさをちょっと感じた瞬間でもありました(笑)
サケのふるさと千歳水族館で見た“異変”
続いて訪れたのは「サケのふるさと 千歳水族館」。
WEBチケットなら少しお得に入れます。
館内には迫力満点の大水槽、

タッチプール、そして千歳川の水中観察窓。
ここでは遡上してきたサケの姿を直接見ることができるんですが……

シロ「えーーーー!!! めっちゃサケが少ない!!!」
目を疑いました。
例年なら川底を覆うように群れが動いているのに、今年はポツリ、ポツリとしか見えません。
屋外に出てインディアン水車を見ても、やはり超絶少ない。




「これは何かおかしいぞ…?」と、私は家に帰ってから過去データを調べてみることにしました。
データで見る10年間の変化(2015〜2025)
サケのふるさと千歳水族館が公開している「千歳川サケ捕獲情報」ページでは、1995年からの捕獲数が一覧で見られます。
その中で、10月25日時点の累計数(速報)を2015〜2025年で比較してみると以下になります。
| 年 | 捕獲尾数(10/25時点) | 備考 |
|---|---|---|
| 2015 | 166,524 | 安定期 |
| 2016 | 99,404 | やや減少 |
| 2017 | 99,684 | 横ばい |
| 2018 | 95,873 | 底打ち |
| 2019 | 181,434(+89%) | 海況好転による急上昇 |
| 2020 | 247,851 | 高水準維持 |
| 2021 | 225,085 | やや減少 |
| 2022 | 359,830(近年ピーク) | 豊漁年 |
| 2023 | 201,463 | 減少トレンドへ |
| 2024 | 89,062(−75%) | 急落 |
| 2025 | 47,802(速報) | さらに下振れ |
出典:サケのふるさと千歳水族館[公式捕獲情報ページ](https://chitose-aq.jp/data/captureinformation.html)
ピークと転換点を読む
2018 → 2019年:回復の年
2018年に底を打ち、2019年は前年比+89%の急上昇。
この年は降海する春、そして夏~秋の海水温が安定し、餌が豊富だったと思われます。
特に2018年は「今年は戻りが早い」と話題になりました。
ふ化放流された2015〜2016年の親魚が良好に育った世代だったことも関係しているでしょう。
2022 → 2024年:歴史的な急減
2022年のピーク35万尾から、わずか2年で−75%の急落。
これは、ここ30年でも最大級の減少幅です。
現地の実感としても、



「水族館の観察窓で見えるサケの数が“肌で減った”」
という印象はまさにデータと一致しています。
原因としては、
- 高水温年の継続(仔魚が弱りやすい)
- 餌環境の悪化(オキアミ等の餌の減少)
- 回遊経路の北偏化(千島沖で滞留)
- 河川渇水・高水温(遡上ペース鈍化)
- 降海時の低水温(低すぎてダメなパターン)
など、海と川の両側からのストレスが重なった可能性が高いです。
2025年は“急減期の継続”
今年(2025年10月25日時点)の捕獲数は47,802尾。
昨年からさらに減り、10年間で最も低い水準です。
つまり、2022年をピークに「減少トレンドが継続」しています。



今年は台風や大雨が少なくて、水量が安定しすぎてるかもしれませんね。
サケは増水のタイミングで一気に遡上しますから。
自然のリズムと人間の感覚、その“ズレ”がサケの数に如実に表れているようでした。
科学的に見た“サケが減る理由”をやさしく
サケの数は、ざっくり言うと「卵→稚魚→成魚→母川回帰」のどこでどれだけ生き残るかで決まります。
・川のステージ:水温・水量がちょうどよいと稚魚が元気に海へ出られます。
・海のステージ:海水温とエサ(小魚・オキアミ)の量が重要。温度が合わないと痩せて死ぬ。
・戻るステージ:河川の水位や天候が良ければ一気に遡上する「当たり日」が出やすい。
つまり、



「川 × 海 × タイミング」=サケの年ごとの命運
というわけです。
2019年の回復は“3要素が揃った年”。
2022→2025の減少は“すべてがずれた年”。
それが現地での「サケが少ない!」という感覚につながっています。
今後の展望と予測(2028〜2030年の山)
ここで私の予想をずばり!
2025年に産まれたサケが戻ってくるのは──
- 3年魚(2028年):全体の25%ほど
- 4年魚(2029年):主力となる約60%
- 5年魚(2030年):約15%



ん~、正直5年魚はもっと少ないかも(笑)
今年(2025年)の親魚が少ないとはいえ、採卵数が確保されていれば次のピークは2029年に訪れる可能性があります。
ただし、それは「海の条件が回復すれば」という前提付き。
逆に、2023〜2025の悪条件が続けば、2030年まで低迷が長引くかもしれません。
2026年の石狩系サケは爆裂か!?
さて、見逃せないのですが、特別目を引く年がありますね!そう!2022年の359,830尾と言う数字です!
これですね、私現地で見たのですが圧巻のサケの回帰でした!!
それで、この子孫はいつ帰って来るの?って言うわけですが、順調に行けば来年大多数が帰ってきます。
さぁ、2026年の秋サケはどうなるでしょうか?以下の記事に詳しく書いてあります。


現地で感じた「少ないからこそ行く価値」
水車の周りにはカメラを構える人がちらほら。
観光客っぽい方は



「うわ~サケいる~!あまり多くないけど、感動するね!」と興奮気味。
まさにその通り。
数が少ない年こそ、1尾1尾の価値が際立ちます。
もし時間があるなら、ぜひ一度、大雨が収まったタイミングや寒気の入るタイミングで訪れてみてください。
もしかすると「サケの生きる力強さ」が感じられるかもしれません。

