「今年の秋サケ、正直どうだった?」
釣りに行った人も、ニュースを見た人も、たぶん同じ感想を持ったと思います。
今年何度も当ブログで書いてますが、“少ない”――その感覚、間違っていません。
今回は、令和7年(2025年)11月30日現在の北海道・秋サケ沿岸漁獲速報をもとに、
今期がどんな年だったのかを整理してみます。
※令和7年(2025年)11月30日現在の北海道・秋サケ沿岸漁獲速報はこちら
結論から:2025年は「一部好調、全道では深刻な不漁年」

まず最初に、逃げずに結論を言うと
令和7年の秋サケは、全道としては明確な不漁年になりました。
一部の海域では前年を上回る数字も出ていますが、
主力海域が大きく崩れ、全体を支えきれませんでした。
これは印象論ではなく、データがそう裏付けています。
全道総計で見る、令和7年の現実
令和7年11月30日現在の全道合計は以下のとおりです。
- 漁獲尾数:5,612,291尾
- 対前年同期比 35.9%
- 漁獲金額:25,063,392千円
- 対前年同期比 51.7%
つまり、
- 獲れた数は 前年の約3分の1
- 金額も 約半分
数量も金額も同時に落ち込んだ年
これは、ここ数年でもかなり厳しい水準でした 。
なぜ「とにかく少ない」と感じたのか
釣り人の体感と数字が一致する理由はシンプルです。
- 群れの“厚み”がない
- 回遊のタイミングが短い
- 入っても一気に抜ける
シロこれらはすべて、尾数が大きく減った年に典型的な現象ですね。
海域別に見ると、2025年の性格がよく分かる
ここが一番大事なポイントです!
令和7年は、海域ごとの明暗が極端でした。
オホーツク海側:全道不漁の最大要因
- 漁獲尾数:3,619,751尾
- 対前年同期比:34.0%
- 漁獲金額:16,595,166千円
- 対前年同期比:49.1%
北海道の秋サケを支えてきたオホーツクが、
数量で3分の1まで落ち込んだ。



ここが崩れた時点で、全道が厳しくなるのは避けられませんでしたね。
とにかく、全道的に見るとこの一点です!
根室海域:回復せず、底打ち感も弱い
- 漁獲尾数:559,792尾
- 対前年同期比:19.4%
- 漁獲金額:2,734,659千円
- 対前年同期比:31.7%
数字を見る限り、



「回復の兆しがはっきり見えた」とは言えない状況です。
えりも以東:部分的回復はあるが限定的
- 漁獲尾数:507,708尾
- 対前年同期比:50.7%
- 漁獲金額:2,077,737千円
- 対前年同期比:72.5%



前年よりは良いが、
“多い年”と呼べる水準ではありません…。
えりも以西:唯一「当たり年」に見える海域
- 漁獲尾数:375,532尾
- 対前年同期比:184.0%
- 漁獲金額:1,718,648千円
- 対前年同期比:290.8%
日高・胆振・噴火湾・道南では、
明確に前年を上回る結果が出ました。
ただし――
ここは北海道全体で見ると規模が小さい海域ですし、昨年が少なかった要因も大です。



局地的な好調では、全道不漁は覆らない
これが2025年の構造という事になります。
日本海側:低空飛行が続く
- 漁獲尾数:549,508尾
- 対前年同期比:61.1%
- 漁獲金額:1,937,182千円
- 対前年同期比:74.0%



「少し戻した」程度で、
回復と呼べる段階ではありません。
2026年(来期)をどう見るべきか
ここではっきり言うと。
この資料だけで「来年は回復する」とは言えないのが現状。
その理由は3つあります。
- 主力系統(オホーツク・根室)が底を打った証拠がない
- 一部好調海域が全体を引き上げる規模ではない
- 数量・金額ともに回復途上とは言えない
ただし、
「必ず悪い」と断定する材料も、この資料単体にはありません。
何故なら私個人の主観たっぷりですが、2026年に帰って来るサケは非常に多いと思っています。


千歳川を埋め尽くしたあのサケの群れは圧巻でした。
無事に帰って来て欲しい物ですね!
釣り人目線での正直なまとめ
- 「今年、魚がいない」と感じたのは正しい
- 一部だけ良い話が出るのも事実
- でも、北海道全体としてはかなり厳しい年
と言うのが2025年の総括になるでしょう!もう12月なので数字はほぼ動かないと思いますが最後まで動向を見守りましょう!

