海釣りファンなら一度は考えたことがある「自作フック」。難しいんじゃない?と思う方もいらっしゃると思いますが、初めての方でも巻くことはできます!
今回は、【海サクラマス】や【海アメマス】を狙う釣り人に向け、初心者でも挑戦できる自作フックの作り方を徹底解説します。今回海サクラマス釣り25年以上のキャリアを持つ私が、道具の準備から仕上げまでを細かくご紹介。この記事を読めば、あなたも自分だけのオリジナルフックで釣りライフをアップグレードできるはずです!
必要な道具とあれば便利な道具
必要な道具
自作フックを作るために、まずは基本となる以下の道具を準備しましょう。
- フック
自作フックの主役。強度と形状にこだわったものを選びましょう。
私は大きいサクラマスが対象なので大き目のフックを好んで使います。
今回はVABFOOK チューンドパーチの#Mとがまかつの海サクラのLを使用しました。

- セキ糸(なければミシン糸でも代用可能)
今回はカルティバの夜光タイプの中を使用しました。

- アシストライン
この部分アシストラインを使ってアイを作ります。色んなアシストラインがあります。私の場合はマグロ釣りで使用しているスクラム16を使う事もありますが、今回はササメの中芯なしPE10号100lbにしました。

- 瞬間接着剤
最終的にフック全体を固定するために使用。
瞬間接着剤にそこまでこだわりは無いのですが、私はサラっとしたラインに浸み込みやすいタイプの瞬間接着剤を好んで使います。ダイソーの四個入り使い切りタイプの接着剤でもOKです。

- ボビンホルダー
セキ糸を巻く際に、均一に巻くための補助ツールです。
セキ糸と取り付けてすぐ巻ける状態にした様子です。このボビンホルダーは必須になります。

- ペンチ
バイスは微妙に高いのでペンチで挟んで作業します。バイスプライヤーでも代用可能です。 - テープ
ペンチ先に巻いてフックの傷防止に使用します。

あれば便利な道具
よりスムーズに作業を進めるために、あれば便利な道具もご紹介します。
- バイス
フックをしっかり固定するための必須アイテム。安定感がアップします。
自作フックを作る上で、バイスはそれなりの価格がするため、初心者にとって一番の壁になりやすいアイテムです。
今回は巻く数が少なかったので釣り用じゃないのですが、息子のプラモデルを修理するのに使っている作業スタンドを使いました。無いよりマシってやつですね(笑) - タイイングシザーズ
セキ糸のカット作業をスムーズに行えます。安価なハサミでも良いのですが、タイイング用のハサミはギリギリを狙ってカットできるので仕上がりが美しですね。無い方はカッターでも代用できます。

これらの道具が揃えば、DIY作業がより楽しく、また失敗が少なくなります。準備をしっかり整えて、作業に取りかかりましょう!
シングルフックの作り方
シングルフックとは?
シングルフックは、基本的な針が一つのフックのです。シンプルな作業工程で作れるため、初心者の方に特におすすめです。海サクラマスや海アメマス釣りに十分対応できるしっかりしたフックが完成します。
刺さりやすく、バレづらく、フックも外しやすく初心者からプロアングラーまで御用達のフックです!
シングルフックの作り方手順
フックをバイスに固定
まず、フックをしっかりとバイスに固定します。ペンチを使って挟むと、作業中に動くことがなくなり、正確な作業が可能になります。
ポイント: フックが少しでも動くと、後の巻き作業が乱れてしまいます。安定性を確保するために、しっかりと固定しましょう。

セキ糸を1センチほど巻く
フックの根元に、セキ糸を均一に1センチ程度巻き付けます。写真だと右から左に巻きます。これが下巻きとなり、以降の巻き作業の土台になります。
ポイント: 巻きムラがないよう、かつ、一定のテンションで少し荒めに巻いていくことがコツです。

アシストラインの設定
今回は約4cmのアシストラインを用意しました。

指で軽く押さえながら、セキ糸をフックのタタキ(打ち付ける部分)に向かって荒く巻いていきます。

仮固定の実施
タタキ部分まで荒巻きして、セキ糸がしっかりと仮固定された状態にします。その後、アシストラインを折りたたんで、更にアイをつくります。
※アイには縦アイと横アイがありますが、近年のルアーにおいては写真と同じ縦アイのフックを使うルアーが多いため、今回は縦アイのフックにしています。スプーンなどは横アイでもOKです。

その後、針先に戻る方向に向かって密にグルグル巻いていき、アシストラインの端まで到達したら、

逆方向に密巻きしてアイの方に戻します。

ポイント: 仮固定をしっかりと行うことで、最終的なフックの形が安定します。戻しの密巻きは何往復もしなくても大丈夫ですが、不安ならもう一往復しても大丈夫です(笑)
テンションの調整
セキ糸は強く巻いた方が固定力は上がりますが、あまりに強く引っ張りすぎると簡単に切れてしまいます。セキ糸が切れない適度な力で、しっかりとテンションを保ちましょう。
ハーフヒッチの実施
タタキまで密巻きしたら、片結びorハーフヒッチ(半結び)を2~3回行い、仮固定の状態をさらに強固にします。もし、うまくいかなくても、そしてよくわからなかったら、適当な結びで仮固定しても問題ありません(笑)理由は次で説明します!
全体の巻き作業が完了したら、フック全体に瞬間接着剤を塗布して完成です!!
筆者の私がシロだけに、シロフックにしてみました(笑)

接着剤がしっかりと乾燥するまで待ち、最終固定を行えばシングルフックの完成です。
注意点: 接着剤が乾く前に触れたり、動かしたりしないように、十分な乾燥時間を確保しましょう。
タブルフックの作り方
タブルフックとは?
タブルフックは、シングルフックよりも複雑な工程が必要な針が二つのフックです。メリットはアングラーの考え方にもよりますが、針数がシングルフックより一つ多いため、魚に掛かる率が上がることです。ただ、実際にあからさまに上がるか?と言われると微妙なところで、上がると良いかな?ぐらいでセッティングするアングラーが多いです。初心者の方も、手順を丁寧に追えば十分作成可能です。また、デメリットとして、フックが二つになるため魚に刺さりづらくなることがあげられます。また、魚が沢山いて釣れる日や、磯などでタモ入れが必要な場所での釣りは手返しが悪くなるので不向きです。特に磯ではタモのネットと絡んで大きく時間をロスしたり、ネットを痛める原因にもなりますので、シングルフックがオススめです。
ダブルフック作り方手順
まずは、セキ糸をフックに下巻きします。シングルフックと同じです。
今回は、アシストラインの長さを約8cmに設定し、下巻きを荒く行います。

ポイント: 均一な下巻きを密に行うより荒く巻いた方が、本巻きでセキ糸がめり込んでしっかり固定されます。
写真ではセキ糸を左から右へ向かって荒く巻き、仮固定を行います。

フックのタタキ部分から、曲がっている側へと向かって巻き、途中で一度折り返します。今回はアイを作らないで折り返します。
ポイント: 仮固定がしっかりしていると、後で密巻きする工程がスムーズに進みます。
先程と同様に密巻きでタタキまで戻ります。

この後、ハーフヒッチを2~3回行い、仮固定をさらに強固にします。
注意点: テンションはしっかり保ちながらも、セキ糸が切れない程度の力加減を心がけてください。
反対側のアシストラインでも、同様の工程を繰り返します。左右のバランスが整えば、フック全体が安定します。

その後、型結びを用いてアイ(ループ部分)を作成します。適当に片結びでOKです(笑)
補足: 先にアイを作ってから巻き始めてもOKです。安全性はこちらの方が良いです。私はあまり気にしないのですが、自分の作業スタイルに合わせて順序を調整しましょう。
両側の作業が完了したら、フック全体に瞬間接着剤を塗布します。
接着剤が十分に乾燥したら、タブルフックの完成です。今回は段差付きフックにしてみました。

ポイント: 接着剤の乾燥は必ずしっかり待ち、仮固定が崩れないように注意しましょう。
今回は針先が向かい合うように巻きました。普通にフッキングしますし、根がかりも若干軽減できます。
完成フックのテストと感想
今回巻いたフック

今回は、ホワイトのアシストラインに、ホワイトのセキ糸を使いました。
真ん中にあるのがシルバーのセキ糸です。また、フックのカラーが変わるとまた印象も少し変わりますね!
作業に慣れると10分もあればこのぐらいのフックは巻けるようになります!
蓄光セキ糸の魅力と使用効果
今回の作業では、【蓄光のセキ糸】を使用しました。
ゴールデンミーンのUVライトを当てた後、

暗闇でのテストを実施したところ、フックが美しく光り、釣り場での存在感が一段とアップしました!

メリット:暗闇でもフックが視認できる、魚に見つけてもらいやすい、自己満足(笑)
安全性の向上:夜間の作業や、薄暗い状況下でも安心して使えるのが嬉しいポイントです。
また、フックのカラーやセキ糸のカラーにこだわりがある方は以下の記事を参考にしてください。

お金を極力かけたくない方はペンチを使用しよう!
自作フック作りは、試行錯誤を重ねながら自分好みに改良していける点が魅力です。
今回はバイスを使って固定しましたが、ペンチでも可能です。
私の場合、フックに傷が入らないようにテープをペンチの先に巻いて

このように挟みながら作業できます。

今回は初心者向けの自作フックの巻き方なので、あまりお金をかけたくない方も多いと思います。
安価なペンチでも良いのでこうやって挟めば力も入りますし安全性も上がります!
人によると思うのですが、もしかするとバイス使うよりこっちの方が慣れないうちは巻きやすい人もいるかもしれません。
よくある質問(FAQ)
- 自作フックはどのくらいの耐久性がありますか?
-
下巻きや密巻きがしっかりできていれば、通常の釣りで十分な耐久性が期待できます。ただし、強すぎるテンションや過度な力がかかるとセキ糸が切れる可能性があるため、適切なテンション管理が必要です。
- 瞬間接着剤以外の接着剤を使っても大丈夫ですか?
-
瞬間接着剤は速乾性があり、作業の効率を高めますが、他の接着剤を使用する場合は、十分な乾燥時間と固定力を確認してください。硬化後カチカチになるタイプの接着剤の方が良いかもしれません。
- セキ糸の準備はどのくらい余裕を持つべきですか?
-
フックのサイズや巻き方によって変わりますが、予備として一個あると安心です。また、セキ糸の色を変えることでフックの外観がガラリと変わるので違う色があるとテンションが上がります!
- 蓄光セキ糸の購入先はどこですか?
-
専門の釣具店やオンラインショップで扱われているほか、インターネット検索で多くの取り扱い店が見つかります。暗闇でのテスト結果が非常にカッコいいので、ぜひ試してみてください!
- 初心者でも自作フックは簡単に作れますか?
-
本記事で紹介した手順を守れば、初心者でも十分に作成可能です。何度か試していくうちに、作業のコツや自分なりの改良方法が身についていくでしょう。今回は初心者向けの記事になっているので難しい作業やプラスαの作業は省略しています。あえて言うのであれば省略しても蓄光仕様なので仕上がりがかっこよくなるようになっています!
- どんなフックを選んだら良いの?
-
少し上級者向けのフック選びの記事があるのでそれを参考にしてください。企保的には今回選らんだフックのMサイズを選んでおけば間違いは無いです。
北風とルアー【海サクラマス釣り】そのフック!ちゃんと選んでますか? 海サクラマス釣りではフックの選択が釣果を大きく左右しますよね。適切なフックを使うことで、効率よく魚を釣るだけでなく、魚へのダメージを最小限に抑えることも可能です…
作業のコツと注意点
セキ糸のテンション管理
セキ糸は、強く巻くと固定力がアップしますが、過剰な力で切れてしまうリスクもあります。適度なテンションで、均一に巻くことが成功の秘訣です。
工具の安全な使用方法
バイスやペンチを使用するときは、怪我防止のためにしっかりと安全対策を行いましょう。特に、テンションかけて巻くのを意識し過ぎると手が滑ってフックが刺さる事故も考えられますので、少し肩の力を抜いて作業してくださいね!
仮固定と最終固定の違い
仮固定は、作業中にフックがずれないようにするための一時的な固定方法です。最終固定は、瞬間接着剤でしっかりと固定し、完成度を高める工程です。両者をしっかり区別しながら作業を進めましょう。
初心者の方はどうしたら良いかわからくなることがあると思いますが、見かけは置いといて、こうしなければいけない!と言う決まりは特にありません。それなりに固定されて入ればOKです。
自作フック作りを楽しむためのヒント
自作フックで釣りがもっと楽しくなる理由
自作フックは、単なるDIY作業に留まらず、自分だけのオリジナル感を釣り道具にプラスできます。自分で作ることで、作業の達成感とともに、釣り場での成功体験も増えるはずです。
改良と試作のすすめ
初めて作るときは完璧を求めず、何度か試作を重ねながら少しずつ改良していくのがコツです。失敗を恐れず、楽しみながら自分の技術を磨いてください。
後々、ラメを付けたり、熱収縮チューブで加工したり色々改良したくなるハズです!
コミュニティとの情報共有
自作フックに挑戦している仲間と、情報交換や作業のアドバイスをしあうことも大変有意義です。SNSで、作業のコツやアイディアをシェアするのもおすすめです。
まとめ:自作フックで楽しい釣りライフを切り開こう
この記事では、【海サクラマス】や【海アメマス】向けの自作フックの作り方を、シングルフックとタブルフックの両面から詳しく解説しました。必要な道具の準備から、各工程でのポイント、さらには実際の使用感や改善のヒントまで、初心者向けに分かりやすくまとめています!
自作フック作りは、釣り人なら誰もが楽しめるDIYです。市販品にはない自分だけの工夫が詰まったフックで、釣りの成果も一段とアップするでしょう!何度も試作を重ね、少しずつ自分の理想のフックに仕上げる過程自体が、釣りライフの醍醐味とも言えます。
ぜひ、この記事を参考にして、必要な道具を揃え、手順通りに作業を進めてみてください。作業中は安全に注意しながら、焦らず自分のペースで丁寧に取り組むことが大切です。そして、完成した自作フックで、【海サクラマス】や【海アメマス】との新たな出会いを楽しみ、充実した釣りライフを送っていただければと思います。
さぁ、釣りに出かけようぜっ!!