こんにちは、シロです!
「サクラマス釣れないな…」なんて思ってるあなた、実はあの河口規制が関係しているかもしれませんよ?珊内川・古宇川・野束川・尻別川、あの有名河川たちが実はここ数年、漁業調整委員会の指示でガチガチに規制されてたの、覚えてますか?
今回はその規制がもうすぐ終了というタイミングで、あらためて「この規制って意味あったの?」をデータとともに掘り下げます!
河口規制はなぜ行われたのか?
サクラマスの安定確保のため
2022年(令和4年)に発動された「石狩後志海区漁業調整委員会指示第5号」は、親魚の安定的な遡上と採卵の確保を目的にしたものでした。
具体的には、
- サクラマス資源の安定的かつ持続的な利用を図るためには、親魚の河川遡上を促進させ、計画的かつ安定的な捕獲・採卵を行う必要がある。
- 後志地域は来遊資源に大きな変動があり、親魚確保が不安定な状況となっている。このため、令和4年度の「ふ化放流計画」から親魚捕獲数を表のとおり増加させるとともに、珊内川・古宇川・野束川・尻別川の河口規制を見直すことで、将来にわたってサクラマス資源の維持・増大を図ることを目的とするもの。

といった目的のために、

サクラマス釣りのハイシーズンに合わせて規制がかかりました。
対象河川と期間
河川名 | 規制期間 |
---|---|
珊内川 | 4月1日~8月31日 |
古宇川 | 4月1日~4月30日 |
野束川 | 4月1日~8月19日 |
尻別川 | 4月1日~4月30日 |
指示期間は「令和7年8月31日まで」。つまり、あと1か月ほどで終了予定です。
委員会指示が決まるまではこんな流れでした
当時のことを思い出すと、あからさまにサクラマスがハイシーズンの時期にぶつけてきたのですが、尻別川は置いといて、たった100尾程度の親魚を採捕するのに規制は必要なのか?と疑問に思う方も多かったことでしょう。
そして、この時問題になったのが、採捕の制限に関する海区委員会指示に対する意見募集についてです。
これは非常に良い事だと思うのですが、期間が問題を呼びました。
募集期間が令和4年2月25日(金)から同年3月9日(水)までと2週間しかありませんでした。
続いて、その意見が公表されたのが同年3月14日(137件の意見)
そして委員会指示が発動したのが、その二日後の令和4年3月16日です。
ちなみにですが、千走川の規制の時も2週間ほどでした。
※この時は規制に賛成の意見が3件ありました。
どんなスケジュール間だったのかと言うと、
意見募集が令和3年2月22日。そして指示が発動するのは3月19日と意見を募集してからの委員会指示がめっちゃめちゃ早かったんですね(笑)



何というスピード感!!
本当に集まった意見を見て、話しあって決めたのか?と言う声が非常に多かったと思います。
※委員会は書面開催だったかな?忘れました(笑)
この出来レースとも捉えてしまう感が多くの釣り人の反感の声を生んだのを覚えています。
※賛成の意見もあったんですよ。
規制から3年、実績はどうだった?
以下に、珊内川・野束川・古宇川、および後志全体における令和4年~令和6年度のさくらます捕獲数・採卵数の推移を分析しました。
各河川・後志全体のデータ分析(令和4~6年度)
珊内川の推移と分析
年度 | 捕獲計画(尾) | 捕獲実績 | 達成率 | 採卵計画(千粒) | 採卵実績 | 達成率 |
---|---|---|---|---|---|---|
R4 | 100 | 107 | 107% | 90 | 163 | 181% |
R5 | 100 | 41 | 41% | 90 | 14 | 16% |
R6 | 100 | 0 | 0% | 90 | 0 | 0% |
分析:
- 令和4年度は捕獲・採卵ともに目標を超え、好調だった。
- しかし令和5年に急減、さらに令和6年はゼロに。
- 環境変化(河口閉塞、水温異常)、遡上個体数の減少、無理な計画などが疑われる。
※実際に魚道見に行ったら閉鎖しそうでした。 - 特に2年連続で採卵ゼロは、種の維持において深刻な課題。



R6年度は何があったのかな?
野束川の推移と分析
年度 | 捕獲計画(尾) | 捕獲実績 | 達成率 | 採卵計画(千粒) | 採卵実績 | 達成率 |
---|---|---|---|---|---|---|
R4 | 100 | 39 | 39% | 70 | 27 | 39% |
R5 | 100 | 10 | 10% | 70 | 0 | 0% |
R6 | 100 | 0 | 0% | 70 | 0 | 0% |
分析:
- 令和4年からすでに成果は低迷しており、連続的な不調傾向。
- 3年間で計画未達成が続くことから、この委員会指示の妥当性が疑問に残る。
- こちらも2年連続で採卵ゼロは要対策。回復には長期的視点が必要。



採卵実績は計画とはかけ離れていましたね!
古宇川の推移と分析
年度 | 捕獲計画(尾) | 捕獲実績 | 達成率 | 採卵計画(千粒) | 採卵実績 | 達成率 |
---|---|---|---|---|---|---|
R4 | 100 | 0 | 0% | 70 | 0 | 0% |
R5 | 100 | 0 | 0% | 70 | 0 | 0% |
R6 | 100 | 0 | 0% | 70 | 0 | 0% |
分析:
- 3年連続で捕獲・採卵ゼロ。計画値の設定自体に疑問が生じる。
- 実質的に「計画はあるが機能していない」状態。現地調査の強化が必要。



機能してないんかーい!!
何があったんだろう?
後志(志管内全体)の推移と分析
年度 | 捕獲計画(尾) | 捕獲実績 | 達成率 | 採卵計画(千粒) | 採卵実績 | 達成率 |
---|---|---|---|---|---|---|
R4 | 3,550 | 3,616 | 102% | 4,406 | 4,780 | 108% |
R5 | 3,550 | 3,150 | 89% | 4,406 | 3,803 | 86% |
R6 | 3,550 | 2,432 | 69% | 4,406 | 4,473 | 102% |
分析:
- 捕獲数は年々減少しており、R6で69%と大きく未達。
- 採卵数はR6で回復したが、千走川・尻別川に依存している構造。
- 一部河川(千走・尻別)に偏っており、分散回復が不可欠。



千走川や尻別川は偉大です!
総合的な考察



私、個人の考察ですっ!
傾向
- 珊内・野束・古宇の3河川は全てR6に捕獲ゼロ。
- 令和4年度に成果があった珊内川でも、わずか2年でゼロに転落。
- 環境変動(気温・海水温・水量・堆砂)や河口閉塞、無理な計画、設備の故障等の影響が疑われる。
懸念点
- 3河川で採卵ゼロが続くと、次世代個体群が途絶する危険性がある。
※実際は千走などからの供給はあり - 地域ごとの偏りが進行し、資源の持続可能性に対する不安が増大。
対策の方向性
- 河口や遡上路の整備、護岸改良、モニタリング強化。
- 稚魚放流の集中による偏在を避け、多河川分散型の資源管理へ。
- 河川別の詳細な要因分析と、現地住民・漁業者との協力体制強化。
- 人員、捕獲用設備や産卵設備の更新・飼育環境の向上など
今後どうする?釣り人目線の提案
一方的な委員会指示は不満が残る
地元と釣り人の対話が必要
・河川ごとに柔軟な対応を:計画と現実がかけ離れている河川は見直しを。
・駐車問題などは別対策を:どさくさに紛れて資源保護を理由に採捕をやる気のない河川があるのでは?との声も多い。住民とのトラブル対策であれば、別の対策が必要。
・資源保護と釣りのバランスを:尻別川や千走川などの重要な河川については引き続き規制継続の声も釣り人からは多い。
まとめ:規制継続、あなたはどう思う?
珊内・古宇・野束の河口規制、実績だけを見ると「正直、意味あった?」と思わざるを得ません。
一方で尻別川などは成果が出ており、場所によっては規制が必要かもしれません。今後の継続を検討するにあたり、「現場の声」ももっと取り入れてほしいですね。
みなさんはこの河口規制、どう思いますか?

