「最近、クロマグロは厳しい」「スルメイカは制限が多い」
釣りをしていると、こんな話をよく聞きませんか?
実はその背景にあるのが TAC制度 です。
名前だけ聞くと難しそうですが、考え方はかなりシンプルです。
この記事では
TAC制度って何? → なぜ必要? → マグロやイカでどう使われている? → 破るとどうなる?
を、誰でも分かりやすく解説します!
TAC制度って何?まずは超シンプルに

TAC=「獲っていい量の上限」
TAC制度とは、
サクラ1年間に「その魚をどれだけまで獲っていいか」を国が決める制度
のことです。
TACは
Total Allowable Catch(総漁獲可能量) の略。
ポイントはこの3つだけ覚えればOKです。
- 魚ごとに
- 年ごとに
- 「獲っていい量の上限」を決める
これ以上獲ると、資源が減って将来いなくなるからです。
なぜTAC制度が必要なの?
放っておくと「獲った者勝ち」になる
魚は共有資源ですよね。
誰かのものではありません。
制限がなければどうなるか?
- 早い者勝ち
- たくさん獲った者が有利
- 結果、獲りすぎる
となるのは、誰でも想像できるはず。
これが続くと、



「一時的には儲かるけど、数年後に魚が消える」
という最悪の未来になります。
未来の釣りと漁業を守る仕組み
TAC制度は、
- 漁業者の仕事を守る
- 遊漁(釣り)を続けられるようにする
- 次の世代に魚を残す
ためのブレーキ役という事になります。
クロマグロを例にすると、TAC制度はこう働く


クロマグロは「世界レベル」で管理されている
クロマグロは日本だけの魚ではありません。
太平洋を回遊するため、国際管理されています。
そこで、
- 国際機関で全体の上限を決定
- 日本の取り分を配分
- さらに国内で漁業ごとに配分
という流れになります。
なぜ「小さいマグロは厳しい」の?
理由は単純です。
- 小さいうちに獲ると
→ 大人になる前にいなくなる
→ 次の世代が増えない
だからクロマグロでは、
- 特に小型魚の採捕制限
- 漁期・数量制限
- 遊漁でも持ち帰り制限
が強くかかっています。



特に小型の採捕制限はわかるんだけど、私個人は、産卵期のクロマグロに制限がないのは激しく疑問に思います。
スルメイカもTAC対象って知ってた?


不漁続きで一気に管理が厳しくなった
スルメイカは昔「どこでも釣れた魚」でしたよね。
でも近年は、
- 海水温の変化
- 産卵環境の悪化
- 獲りすぎ
が重なり、資源が激減。
その結果、



「もう放っておけない魚の仲間入り」
としてTAC制度の対象になりました。
イカも「獲りすぎると戻らない」
イカは成長が早い反面、
- 親が減ると一気に減る
- 回復に時間がかかる
という特徴があります。
そのため今は



「獲らない年も覚悟する」管理に切り替わっています。
TAC制度の法律的な根拠は?
ベースは「水産資源を守る法律」
TAC制度は、
- 水産資源を持続的に使う
- 国が漁獲量を管理する
ことを定めた法律等に基づいて運用されています。
簡単に言うと、



国が「この魚は守る必要がある」と判断したら、
獲れる量を制限できる
という仕組みです。
ちなみにその法律というの以下で解説します。
結論から言うと、この2つの法律です
日本で
「水産資源を持続的に使う」「国が漁獲量を管理する」
ときの中心になる法律は、主に次の2つです。
① 漁業法
まず一番の土台がこれです。
漁業法って何のための法律?
漁業法は一言でいうと、



魚を獲りすぎず、将来も漁業が続くように国が管理するための法律
です。
この中で、国は次のことができると決められています。
- 漁獲量の上限を決める
- 魚種ごとに管理ルールを作る
- 資源が悪化したら制限を強める
つまり、
TAC制度を動かすための「根っこの法律」
が漁業法です。
漁業法とTAC制度の関係(超重要)
漁業法では、
- 資源評価(どれくらい魚がいるか)
- 資源管理(どう守るか)
- 漁獲管理(どれだけ獲っていいか)
を国が責任を持ってやると定めています。
この中の
「どれだけ獲っていいか」を数値で決めたものがTAC(総漁獲可能量)です。
② 水産資源保護法
次に出てくるのがこの法律。
水産資源保護法って何?
こちらは、



魚の資源を守るための具体的な禁止・制限ルール
を定める法律です。
たとえば、
- 小さい魚を獲っちゃダメ
- 産卵期は獲っちゃダメ
- 特定の方法は禁止
といった現場レベルのルールを支えています。
もしTACを破ったらどうなる?


うっかりでもアウトになることがある
TAC超過や違反があると、
- 行政指導
- 操業停止
- 罰金や罰則
が科される可能性があります。
特に注意が必要なのは、
- 漁業者だけでなく遊漁(釣り人)も対象になるケース
があることです。
知らなかったでは済まされない
「知らなかった」は理由になりません。
- 持ち帰りサイズ
- 匹数制限
- 漁期
は、釣り人側も確認する必要があります。
釣り人として、TAC制度とどう向き合う?
獲らない判断も、立派な釣果
釣り人として思うのは、



獲らない判断をするのも勇気
ということ。
- 写真だけ撮ってリリース
- 状況が悪い年は狙わない
- ルールを知った上で楽しむ
と言うの判断も個々で行って大いに◎かなと思います。



私、釣りに関するブログを書いていますが、「節度ある釣り」については、非常に大事かなと思っていますよ!
まとめ|TAC制度は「釣りを奪う制度」じゃない
- TAC制度=獲っていい量の上限
- ルールは未来の釣りや漁業を守るため
- 遊漁も無関係ではない
TAC制度は敵じゃない。
むしろ「釣りを続けるための味方」です。



今のTAC制度を見ていると、腑に落ちないことも多々あるんです!
私個人はまだまだ未完成な制度だと思っていますが、これからも楽しい釣りを続けられるように、一人一人が考えていかなければならない時代になっています。

