こんにちは、シロです!
最近SNSでよく見かけるのが、「血抜き後のブリは○○キロだった!」という釣果報告。
でも、ちょっと気になりませんか?「そもそもブリって、どれくらい血が入ってるの?」
人間なら体重の8%くらいが血液って言うけど、魚の場合は…?
釣り人としては気になる「血抜き後の重量差」について、ちょっとマジメに掘り下げてみました。
ブリの血液量ってどのくらい?釣果報告に潜む重量の謎
まず、前提として人間の血液量は「体重の約1/13(約8%)」と言われています。
65kgの成人なら、約5kgの血液が体内を巡っていることになります。
一方で魚、特にブリのような回遊魚の場合はどうなのでしょうか?
論文から読み解く、ブリのリアルな血液量
調べていく中で、非常に参考になる論文を見つけました。
それがこちら:
引用論文:『コイ,ブリおよびマダイの循環血液量の測定』
板沢靖男・竹田達右・山元憲一・東照雄(1983年)
日本水産増殖学会誌 第30巻 第1号 pp.94-98
この論文では、インジゴカルミン(青い染色インク)を静脈から注射し、時間を置いて採血し、その希釈率から血液量を逆算するという、科学的で信頼性の高い方法を使っています。
測定対象となったのは、平均802gのブリ44匹。
この研究から以下のデータが導き出されています。
測定項目 | 単位あたり量(ml/100g) |
---|---|
血漿量(Plasma volume) | 3.53 ml |
血液量(Blood volume) | 4.89 ml |
赤血球量(Erythrocyte volume) | 1.37 ml |

豆知識!
ちなみに人間の血液量は体重の約8%(≒8ml/100g)なので、ブリの約4.89%は少ないようにも見えますが、魚類としては多い方なんです。
ブリの体重別に血液量を推定してみた
この「4.89ml/100g」というデータをもとに、体重ごとの血液量を試算してみましょう。
ブリの体重 | 推定血液量(ml) |
---|---|
1kg | 約48.9 ml |
5kg | 約244.5 ml |
10kg | 約489 ml |
さらに、魚類の血液の比重はおおよそ 1.050 とされているため、ml ≒ g とみなせば、10kgのブリから約0.5kg分の血が抜ける可能性があるというわけです。
あくまでこれは循環血液量の目安であり、「血抜き」で完全に抜けるとは限りません。実際はもっと少ないこともあります。
血抜きでどれだけ軽くなる?私の実体験


ある日、釣ったブリを船上で丁寧に神経締め&血抜きしてから港に戻り、クーラーの中で冷却処理を行いました。
その後、自宅で再計量したところ…
約150gの重量減少が確認できました(元の魚体は約6.5kg)。
見た目ではそこまで変わらなくても、数値にしてみると確かに“減っている”んです。



「軽くなった気がする」と思ってたけど、ちゃんと数値で見ると納得ですね。
なぜこの研究が貴重なのか?
この1983年の論文は40年以上前のものですが、魚類の血液量を科学的に定量した数少ない研究のひとつです。
ブリのような大型魚の血抜き処理と重量差の関係を、“感覚ではなくデータで語れる”ようになるのは、釣り人として非常に大きなメリットです。
血抜きによる鮮度向上や味の違いも大事ですが、正確な釣果報告をするためにも、血液量とその重量減少の理解は武器になります。
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試しにウロコもギザギザのところで取ってみましたが、これはガシガシとれると言ったものではなかったです。ただ、サクラマスのウロコ程度であれば取ることができました。
まとめ|「血抜き後○○kg」投稿の見方が変わるかも?
- ブリの循環血液量は体重の約4.89%と判明。
- 10kgの魚体では最大約500ml(=約0.5kg)も抜ける可能性あり。
- 正しい血抜きをすれば、釣果の数字は確かに減る。でもそれが本来の処理なんです。
今後「血抜き後○○kgでした!」という投稿を見たら、
「この人、ちゃんと処理してるな〜」とリスペクトの気持ちが湧いてくるかもしれませんね!