「錦多峰川の河口規制が早まるって聞いたけど、結局どうなったの?」
札幌・苫小牧周辺でサケ釣りをする人にとって、かなり気になる話ですよね。
2026年3月26日に開かれた胆振海区漁業調整委員会で、錦多峰川の河口付近におけるさけ・ますの採捕制限について審議され、委員会指示を原案どおり発動することが決まりました。
今回の変更により、これまで規制されていなかった8月20日から31日までの11日間が、新たな採捕禁止期間に加わります。
規制の内容

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象河川 | 錦多峰川(苫小牧市) |
| 対象魚種 | さけ・ます |
| 規制内容 | 河口付近の指定区域内で、さけ・ますの採捕を禁止 左岸300m、右岸200m、沖合200m ※胆振海区漁業調整委員会指示第3号 |
| これまでの開始日 | 9月1日 |
| 新しい開始日 | 8月20日 |
| 新たに追加される期間 | 8月20日~8月31日の11日間 |
| 変更の理由 | 親魚の確保、早期遡上群の保護、白老川・敷生川との規制日の統一 |
| 決定日 | 2026年3月26日 |
委員会指示の発動に至った経緯
錦多峰川の河口規制については、2025年末や前回の胆振海区漁業調整委員会から継続して話し合われていましたね。
その後、2026年2月12日から3月13日まで意見募集が行われ、合計19件の意見が提出されました。
ざっくりとですが、内訳は次のとおりです。
- 賛成11件
- 反対8件
シロ意見募集では、秋サケ資源を守る必要性だけでなく、「なぜ8月20日なのか」「釣り人の採捕量は把握されているのか」といった疑問も多く出されました。
3月10日には苫小牧市で公聴会も開催され、一般出席者は9人とのことです。
これらを踏まえ、3月26日の委員会で審議され、委員から異議はなく、原案どおり発動することが決まったのが経緯です。
参考:胆振海区漁業調整委員会ホームページ 意見募集結果 (PDF)、公聴会記録 (PDF)、意見に対する胆振海区漁業調整委員会の考え方 (PDF)
賛成意見の主な理由
秋サケ資源と親魚を守るため
賛成意見で最も多かったのは、北海道の秋サケ資源が危機的な状況にあり、ふ化放流事業に必要な親魚を安定して確保する必要があるというものです。



錦多峰川は胆振管内でも重要な増殖河川であり、釣り人にも協力してもらいながら、健全な親魚を少しでも多く河川へ戻したいという考えです。
白老川や敷生川と規制日を統一するため
白老川や敷生川では、河口付近の採捕禁止期間が8月20日から始まっています。
錦多峰川だけ規制開始日が遅いと、まだ釣りができる錦多峰川へ人が集中し、親魚確保や地域環境に悪影響が出るという意見がありました。
漁業者からは、10年以上前から錦多峰川も同じ規制期間にするよう要望してきたとされています。
早期遡上群を保護するため
錦多峰川河口で釣りされた経験のある方であればわかると思いますが、8月中旬頃から秋サケが遡上しますよね。



賛成意見では、海水温が高い8月から9月に戻ってくる前期群は、現在の海洋環境に適応した特徴を持っている可能性があり、将来の資源回復につながる親魚として保護すべきだとされました。
密漁やマナー違反を減らすため
錦多峰川河口では、立入禁止の導流堤からのタモすくいや、河川内に入ってサケを捕る行為が問題視されています。



ゴミ、騒音、排泄行為、夜間の照明を使った捕獲なども指摘されており、規制を早めることで無秩序な状態を改善してほしいという意見もありました。
反対意見の主な理由
8月20日とする科学的根拠が示されていない
反対意見で特に多かったのが、8月20日から31日まで規制を早めることで、親魚を守れるのか?という指摘です。



8月下旬の遡上数や釣り人による採捕数、年間遡上数に占める割合などが示されておらず、規制効果を判断できないとの声も。
近年の遡上時期と合っていない
長年、錦多峰川を見てきた方からは、近年は8月の遡上が少なく、9月の第2週から第3週頃に集中しているという意見が出ました。



遡上のピークが9月中旬以降であれば、8月20日から11日間規制を早めても、大きな効果は得られないのではないかという疑問です。
親魚や採卵数は計画を上回っている
実は、私もこれと同じ意見を持っていました。
反対意見では、錦多峰川の親魚捕獲数や採卵数は、すでに計画数を満たしていると指摘されています。



令和7年度については、捕獲実績14,926尾に対して計画が5,500尾だったとの数字も示され、規制を早める緊急性が本当にあるのか疑問視されました。
釣り人だけを規制しても資源は回復しない
秋サケが減った原因は、海水温、海洋環境、回帰率、沿岸での漁獲など複数あるのは素人でも容易に想像できますね?



釣り人が何尾採捕しているか統計もない中で、釣り人の期間だけを短くするのは、単なる締め出しに見えるという意見もありました。
また、錦多峰川が規制されることで、別の河口へ釣り人が集中し、混雑やゴミ、駐車問題が移動するだけではないかという懸念も出ています。
その他に出された提案
意見募集では、規制するか、規制しないかという二択以外の提案も出されました。
ライセンス制度を導入する
釣り人から料金を徴収し、その収入をふ化放流事業、環境美化、監視員、トイレや駐車場の整備などに使う案です。
あわせて、竿数や持ち帰り尾数を制限し、ルールを守る釣り人と漁業者が共存できる仕組みを求める意見がありました。
規制の解除基準を決める
一度規制を始めると、そのまま永久に続くのではないかという不安もあります。



親魚確保数や漁獲量が回復した場合は規制開始日を元に戻すなど、見直しの条件をあらかじめ決めてほしいという提案がありました。
私もこの手の規制がどんどん増える中で、同じ意見を持っています。
導流堤を物理的に封鎖する
立入禁止区域への侵入やタモすくいが問題なら、一般の釣り人全体を規制する前に、導流堤へ入れないよう物理的に封鎖すべきという意見です。
期間を長くするのではなく、禁止する距離や区域を見直してはどうかという提案もありました。



確かに、立入禁止区域の侵入はダメですよね。
警察が来たらいなくなるけど、またすぐに侵入するループができあがっていました。
委員会からの回答
近隣河川との統一について
8月20日という開始日は、白老川や敷生川など、近隣の主要増殖河川と規制期間を合わせる考えが背景にあります。
河川ごとに規制日が違えば、規制されていない河口へ釣り人が集中するため、胆振管内で足並みをそろえる必要があるという考えです。
一方、委員会は、8月20日から31日までが新たな規制になることを踏まえ、今後の禁止期間や区域については、河川への遡上状況、増殖事業、秋サケの漁獲状況を見ながら、研究機関を含む関係者と協議するとしています。



委員会批判をするわけではないのですが、理由としては漠然としていて、苦しいな…と言った感想です(笑)
早期遡上群の保護について
委員会側は、増殖事業に使用する親魚や卵には個体差があり、より良い魚体や卵を確保する必要があると説明しています。
また、錦多峰川で確保された親魚や卵は、ほかの増殖河川で不足が生じた場合の補填元としても重要だとしています。
ただし、規制強化が資源回復にどの程度効果を与えるかについては、委員会も「現時点では明確な根拠を示すことはできない」としています。
今後、規制によって得られたデータや専門家の意見を基に、資源回復策を検討するという回答でした。



うーん。8月20日から31日までの規制では効果は超微々たるものかと思うのですが…
まぁ、藁にもすがる思いなのもわかる…
ただ、説明が苦しそうだな…と感じる内容で、半分釣り人に対する嫌がらせに近い感覚で聞こえている人も多いのではないか?とも思ったりしています。
釣り人としての率直な意見
私個人、全道各地で秋サケ資源を守るために、ある程度の規制が必要なのは理解できます。
一方で、釣り人の楽しみを制限する以上、「近隣河川が8月20日だから」「早い時期の親魚を守りたい」という説明だけでは、少し弱いと感じます。
規制後は、8月20日から31日までに何尾の親魚が増えたのか、採卵数にどの程度効果があったのかを公表してほしいところです。
効果があるなら継続する。効果が小さければ、期間や区域を見直す。
規制をすること自体よりも、規制の結果を検証し、必要に応じて変更する仕組みがあるかが、最も重要ではないでしょうか?

