こんにちは!サクラマスが大好きなみなさん、美味しいお刺身やルイベを食べたいけど、「アニサキスが怖い!」という方も多いのでは?
アニサキスは、魚介類に寄生する寄生虫の一種で、食べてしまうと食中毒やアレルギーを引き起こす可能性があります。しかし、適切な対策を行えば、安全に美味しく食べることができます。
本記事では、元調理師の私が、サクラマスに寄生するアニサキスについて詳しく解説し、寄生虫の見つけ方や対策方法、アニサキス症のリスクと予防策について分かりやすく説明します。しっかりと知識を身につけて、安全にサクラマスを楽しみましょう!
アニサキスとは?
アニサキスは、魚などに寄生する線虫(寄生虫)の一種です。大きさは2~3センチメートル、幅0.5~1ミリメートル程度で、白色または半透明の糸状の形をしています。
アニサキスはサバ、アジ、イワシ、カツオ、ヒラメ、サクラマスなどの魚の内臓に多く寄生し、魚が死んだ後は筋肉(可食部)に移動する性質があります。(※生きていても筋肉にいます。)そのため、新鮮な状態では内臓に留まっていますが、時間が経過すると可食部分にも寄生するため注意が必要です。
アニサキスは人間の体内では成虫になれないため、誤って食べてしまうと胃や腸の壁に侵入し、食中毒(アニサキス症)を引き起こします。特に生食する場合は、このリスクをしっかり理解し、適切な対策を講じることが重要です。

ちゃんと勉強して対策しよう!
アニサキスは何故魚が死んだら筋肉に移動するの?


アニサキスが魚の筋肉に移動する理由は、魚の死後に起こる生理的な変化に関係しています。
- 魚の消化管の弛緩
アニサキスは通常、魚の内臓(特に胃や腸)に寄生しています。しかし、魚が死ぬと、内臓の筋肉が弛緩し、アニサキスが自由に動けるようになります。 - 腐敗の進行と環境の変化
魚の死後、内臓は他の部位よりも早く腐敗が進みます。この環境変化により、アニサキスはより生存しやすい場所を求めて移動を開始します。 - 筋肉の水分と保護性
魚の筋肉は水分が多く、アニサキスにとって比較的安定した環境となります。また、筋肉に移動することで、外部からの刺激や腐敗の進行による悪影響を回避できると考えられています。 - 宿主を通じた次の感染サイクル
自然界では、アニサキスは最終宿主である海洋哺乳類(クジラやアザラシ)に寄生するために、魚を介して次の宿主へと移動します。筋肉に移動することで、捕食者が魚を食べた際にアニサキスが生存しやすくなる可能性があります。



なるほど!筋肉に移動するカラクリは内臓の居心地が悪くなるからなんだね!
サクラマスのアニサキス寄生率は驚異の95%
サクラマスはアニサキスの寄生率が非常に高い魚種のひとつです。「アニサキス科線虫の生物学と人体感染の予防 浦和 茂彦 1986年」によれば、約95%のサクラマスにアニサキスが寄生していることが判明しています。つまり、ほぼすべてのサクラマスにアニサキスがいると考えて対策を行うことが重要です。
さらに、1匹のサクラマスに約2.5匹程度のアニサキスが寄生していることがわかっており、そのため、生食する際にはしっかりとチェックし、適切な処理を施すことで食中毒のリスクを回避することができます。



アニサキスは絶対にいる!と思った方が気は楽かもね(笑)
サクラマスに寄生するアニサキスの種類
現在アニサキス属の線虫は9種類確認されています。今回はアニサキスと、シュードテラノーバをご紹介。
- アニサキス・シンプレックス(Anisakis simplex)
- 主に魚の内臓や筋肉に寄生し、人間の胃壁に侵入しやすい。
- 急性胃アニサキス症を引き起こし、激しい腹痛や嘔吐を伴う。
- シュードテラノーバ・ディシピエンス(Pseudoterranova decipines)
- アニサキスと異なり、シュードテラノーバによる有症事例では嘔吐や強い吐き気が特徴。
どちらの種類も、適切な冷凍処理や加熱処理を行うことで安全に食べることができます。
参考:東京都におけるアニサキス症とその対策:NIID国立感染症研究所のサイトはこちら
サクラマスにアニサキスはどこにいる?
アニサキスは「アニサキス科線虫の生物学と人体感染の予防 浦和 茂彦 1986年」に載っている情報よれば主にお腹周りに多く寄生していることがわかりますがシロサケとサクラマスでは微妙に異なります。
シロサケはアニサキスシンプレックスとシュードテラノーバ・ディシピエンスがお腹周りに集中して寄生しているのに対し、サクラマスはアニサキスシンプレックスがお腹周り、さらに日本海裂頭条虫が腹周りから背中にかけて多く寄生していることが載っていました。


サクラマスを捌く際は、この部分を重点的にチェックし、目視で確認することが重要です。
また、アニサキスは紫外線(ブラックライト)を当てると光る性質があるため、ブラックライトを使って確認する方法も有効です。
Hapyson(ハピソン) 防水機能 充電式アニサキスライトYF-990
最近、非常に有名なHapysonのアニサキスライト。
Hapysonの優れた光学設計により従来の乾電池式アニサキスライト(YF-980)と比べて、約1.5倍の明るさになり、よりアニサキスを見つけやすくなったYF-990が登場です!
照射時間も「2時間」と、4倍になっており、完全防水IPX7で丸洗い可能な為、衛生的に使えます!
つよつよ紫外線LEDなので、ルアーの蓄光や歯石、ジェルネイルにも使えます!
アニサキス症と食中毒のリスク
アニサキスを含む魚を生で食べると、アニサキス症(アニサキスによる食中毒)を発症する可能性があります。
アニサキス症の主な症状
- 急性胃アニサキス症:食後数時間~1日でみぞおちの激痛、吐き気、嘔吐。
- 急性腸アニサキス症:食後十数時間後に下腹部の痛みや腸閉塞症状。
- アニサキスアレルギー:じんま疹、呼吸困難、アナフィラキシーショックなど。
症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
アニサキスの対策方法
加熱処理
- 60℃で1分以上の加熱でアニサキスは死滅。
- 70℃以上の加熱なら確実に死滅するため、焼き魚や鍋料理での調理がおすすめ。
冷凍処理
- -20℃で24時間以上冷凍するとアニサキスは死滅。
- 家庭用冷凍庫(-18℃程度)では時間を長めに取る必要がある。
早めの内臓除去
- 魚が死ぬとアニサキスが筋肉へ移動するため、すぐに内臓を取り除くことでリスクを軽減。
- ※最初から筋肉にいる場合があるので要注意
サクラマスのスモークサーモンで対策
私は塩で脱水して燻製にして対策しました!!
美味しいので時間があればトライしてみてください!


まとめ
- サクラマスのアニサキス寄生率は95%と非常に高い。
- 生食する場合は必ずアニサキスの有無を確認する。
- 適切な冷凍・加熱処理で安全に食べることが可能。
- 内臓をすぐに除去することで、リスクを大幅に減らせる。
サクラマスを安全に美味しく楽しむために、しっかりとした知識と対策を身につけましょう!



美味しく安全に食べようね!