こんにちは!シロです。
先日、9月中旬時点の北海道の秋サケ漁獲量を記事にしました。その時点では全道で1,614,620尾、前年同期比106.2%と、わずかながら前年を上回っていましたよね。
ところが、9月下旬現在の速報では状況が大きく変わっています!
北海道全体の漁獲尾数は2,099,111尾。前年同期の3,183,510尾に対して65.9%しかなく、前年より1,084,399尾少ない結果となりました。
サクラえっ?9月中旬の時点では前年を超えていたよね?
そうなんです。わずか10日程度で状況が大きく変わりました。
つまり、9月下旬に秋サケの漁獲ペースが不漁で一気に鈍った結果となりました。
前回の9月20日時点の記事はこちらです。


9月下旬、サケの増え方がかなり鈍った
9月中旬から下旬までに増えた漁獲尾数は484,491尾でした。
その前の9月上旬から中旬までは817,257尾増だったため、増加ペースはかなり落ちています。
| 時点 | 全道漁獲尾数 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 9月上旬 | 797,363尾 | 141.1% |
| 9月中旬 | 1,614,620尾 | 106.2% |
| 9月下旬 | 2,099,111尾 | 65.9% |



141.1% → 106.2% → 65.9%。
個人的には、この数字の落ち方が今回いちばん気になりました。
この推移を見ると、今年は9月上旬から中旬にかけて比較的良かったものの、下旬になって急速に前年のペースから遅れ始めたことが分かります。
オホーツクの秋サケ漁獲量が失速(前年比64.4%)


9月下旬のオホーツクは1,414,557尾、前年同期比64.4%でした。前年より780,411尾少なく、北海道全体の減少にかなり大きな影響を与えています。
9月中旬時点ではオホーツクが北海道全体を引っ張っていただけに、この失速はかなり気になりました。
しかも西部49.6%、中部68.9%、東部74.9%と、3地区すべてが前年割れです。



サケが急にいなくなったってこと?



必ずしもそうとは言えないんだ。今年は早い時期に漁獲が集中していた可能性もあるんだよ。
前回は「今年のオホーツクはかなり良いのでは?」という印象もありましたが、今見ると、早い時期に漁獲が集中していただけだった可能性も考えたくなります。
日本海・日高は前年比3割前後
日本海は9月下旬時点で104,096尾、前年同期比31.1%。南部・中部・北部すべてが3割前後となっています。
日高も41,599尾、前年同期比29.7%と厳しい状況です。
札幌周辺や日本海側でサケ釣りをしている人にとっては、かなり気になる数字だと思います。



日本海31.1%、日高29.7%……。
釣り人として見ても、この数字は正直かなり厳しく感じます。
以前まとめた千歳川のサケ捕獲数や、小樽・勝納川の遡上状況も合わせて見ると、今年の日本海側は「少し遅れているだけ」と楽観視しにくくなってきました。




逆に、前年を上回っている地域もある
実は、悪い地域ばかりではなかったりします。
根室は前年同期比102.5%、えりも以東は116.1%となっています。特に、えりも以東の東部は176.5%と好調と言っていい物なのかは微妙なところですが…、かなり増えています。
つまり2026年は、「北海道全体でサケが少ない」というより、地域差がかなり大きい年と考えた方がよさそうです。
ただし、漁獲量の大きいオホーツクが失速しているため、全道では厳しい数字になっています。
漁業者の立場では、尾数以上に厳しい
9月30日時点の漁獲金額は約101億8,360万円で、前年同期比89.1%でした。尾数は65.9%なので、魚価の上昇がある程度カバーしていると考えられます。
しかし、漁獲量が減っても船や網、人件費、燃料費などの負担は大きく変わるものではありませんよね。
さらにサケ漁業は、ふ化放流や親魚確保とも深く関わっています。漁業経営が弱くなることで、増殖事業まで影響を受けないか心配です。
研究者の立場では「漁獲量=資源量」ではない





前年の65.9%なら、サケ自体も去年の65.9%しかいないってこと?
ここは注意が必要で、今回の数字は、あくまで沿岸で漁獲されたサケの数です。
海水温、海流、時化、漁獲努力量、魚群の寄り方などによって漁獲量は変わるため、「漁獲量が65.9%だから、サケ資源も65.9%」とは言えません。
一方で、近年は北海道のサケの回帰率低下も問題になっています。そのため、今回の数字を単なる一時的な不調として片付けるのも早いと思います。


遊漁者もサケとの関わり方をもっと考える時期かもしれない
釣り人としては、「どこで釣れているか」「何本上がったか」がどうしても気になるものです。



釣行が終わった次の日には、次回の釣行のためにこんな事を思っている方、めちゃめちゃ多いのではないでしょうか?
ただ、サケ資源が低い状態が続けば、これからは何匹釣れるかだけでなく、限られた資源とどう付き合うかも考える必要が出てくると思います。
網走・斜里・小清水では、2026年から岸釣りで「竿3本・サケ3尾」のルールが運用されています。
こうした流れを見ると、来シーズン以降は漁業者だけでなく、遊漁者側にも今まで以上に資源管理を意識した対応が求められる可能性があります。
私が一番心配なのは「親魚」
私が今、一番心配しているのは、今年何尾獲れるかではありません。
次の世代を作る親魚が、どれだけ川へ戻れるのか。
ここです。



私が本当に心配しているのは、今年何匹釣れるかじゃない。
次の世代を残す親魚が、どれだけ川へ帰れるかなんです。
今年の親魚が少なければ、その影響は数年後にも出てきます。
もちろん、今回の数字だけを見て「今後数十年サケが戻らない」と断定することはできません。
それでも、近年の回帰率や来遊状況を見ていると、個人的にはかなり悲観的です。
私は、北海道のサケが以前のような状態に戻るには、数十年単位で考えなければならない可能性もあると思っています。
10月にV字回復するのか?
まだ10月があります。
もちろん、これからまとまった来遊が起こる可能性はあります。
ただ、9月中旬時点の前年同期比106.2%から、9月下旬には65.9%まで低下しています。しかも、9月下旬の増加ペース自体がかなり鈍っています。
そのため現時点では、私は10月に一気にV字回復する可能性は高くないと個人的に予想しています。
もしここから前年並みまで戻るなら、10月にかなり大きな来遊が必要になりますよね。
まとめ|9月末でかなり厳しい状況になった
2026年9月30日の北海道秋サケ漁獲尾数は2,099,111尾、前年同期比65.9%でした。
9月20日時点では前年を上回っていましたが、9月下旬に入って漁獲の伸びが大きく鈍っています。
特に、
- オホーツク 64.4%
- 日高 29.7%
- 日本海 31.1%
という数字はかなり厳しく感じます。
一方で根室やえりも以東は前年を上回っており、今年は地域差が大きいのも特徴です。
個人的には、このまま10月に簡単にV字回復するとは考えていません。そして本当に重要なのは、今年の漁獲量だけではなく、次の世代を残す親魚がどれだけ確保できるのかだと思っています。
来シーズン以降、漁業者も遊漁者も、これまでとは違う形でサケとの関わり方を考える時期に入ってくるのかもしれません。
次は10月上旬の速報がどうなるのか。
引き続き追っていきたいと思います。

