こんにちは、シロです!
前回、10月10日現在の秋サケ沿岸漁獲速報を見ながら、「10月に入っても回復の兆しが見えない」と書きました。
そして今回、北海道から10月20日現在の「令和8年 秋さけ沿岸漁獲速報」が発表されました!
水温も下がってきて、さてさて、そろそろサケがドーン!と入ってきたのか?
シロうーん!さらに厳しくなってるじゃないですか!
北海道全体の漁獲尾数は2,517,987尾。
前年同期の4,653,689尾に対して、前年同期比54.1%となりました。
前回10月10日時点では58.6%だったので、残念ながら前年との差はさらに広がっています。
ただ、今回さらに気になるのは「54.1%」という数字だけではありません!
10月に入ってから、どれくらいサケが増えているのか?
ここを見ると、2026年の秋サケの状況がさらにハッキリしてきました。


10月20日で前年比54.1%まで低下


まずは、これまでの北海道全体の推移を見てみましょう!
| 時点 | 漁獲尾数 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 9月上旬 | 797,363尾 | 141.1% |
| 9月中旬 | 1,614,620尾 | 106.2% |
| 9月下旬 | 2,099,111尾 | 65.9% |
| 10月上旬 | 2,309,877尾 | 58.6% |
| 10月中旬 | 2,517,987尾 | 54.1% |
9月上旬は前年同期比141.1%。
「今年はかなり来るんじゃない?」と思わせるスタートでした。
ところが9月下旬には65.9%まで低下し、10月10日には58.6%、そして10月20日には54.1%です。
つまり、シーズンが進むほど前年との差が広がっています。



9月前半の数字だけ見ていたら、こんな展開になるとは思わなかったね!
前年との差は、ついに2,135,702尾。
200万尾以上の差となりました。
一番気になるのは「10日間で20万尾しか増えていない」こと
今回、自分が一番注目したのはここです。
10月10日現在の漁獲尾数は2,309,877尾。
10月20日現在では2,517,987尾なので、この10日間に増えたのは208,110尾です。
では前年はどうだったのでしょう?
前年は10月10日現在が3,938,905尾、10月20日現在が4,653,689尾。
同じ10日間で714,784尾増えています。
つまり今年の10月中旬の増加ペースは、前年の約29%しかありません。
これ、実はかなり重要ですよね…。
前回の記事では、9月30日から10月10日の増加ペースが前年の約28%だったと紹介しました。
そして今回も約29%。



「これから遅れてドカッと来る!」というより、10月に入っても前年の3割くらいのペースが続いているんですよね。
もちろん自然相手なので、突然まとまった群れが入る可能性はあります。
ただ、10月上旬も中旬もほぼ同じ低いペースが続いたことを考えると、「単純に来遊時期が遅れているだけ」と見るのは、かなり難しくなってきたように感じます。
オホーツクは54.5%!12万尾増えても差はさらに拡大
北海道全体への影響が大きいオホーツクも見てみましょう。
10月20日現在の漁獲尾数は1,648,302尾。
前年同期は3,021,996尾なので、前年同期比は54.5%です。
【オホーツクの内訳】
- 西部 418,912尾 48.0%
- 中部 560,393尾 59.5%
- 東部 668,997尾 55.5%
10月10日時点ではオホーツク全体が58.6%だったので、こちらも54.5%まで低下しました。
さらに10月10日から20日の増加は122,341尾。
前年の同じ期間は417,732尾増えているので、増加ペースは前年の約29%です。



北海道全体とほぼ同じ29%!やっぱりオホーツクの影響は大きいんだね。
前年との差はすでに約137万尾。
北海道全体の前年との差約214万尾のうち、かなり大きな部分をオホーツクが占めています。
今年の北海道全体の数字を考えるうえで、やはりオホーツクの低迷は無視できませんね。
えりも以東もついに前年割れ!でも東部は142%
前回の記事で明るい数字として紹介したのが、えりも以東でした。
10月10日時点では371,621尾、前年同期比104.8%。
主要な地域の中では唯一、前年を上回っていました。
ところが10月20日現在は407,627尾、前年同期比91.2%。
とうとう小計では前年を下回りました。
ただし!ここには面白い数字もあります。
えりも以東の東部は160,336尾で、なんと前年同期比142.0%。
まだ前年を大きく上回っています。



全部が悪いわけじゃないんだね!東部はまだ142%もある!
一方、西部は247,291尾で74.0%。
同じ「えりも以東」でもかなり差があります。
今年は本当に、地域差が大きい年ですね。
日高26.6%、日本海22.9%はさらに厳しい


そして、やはり厳しいのが日高と日本海です。
日高は50,110尾。
前年同期188,456尾に対して、26.6%となりました。
10月10日時点では28.1%だったので、こちらもさらに低下しています。
そして日本海。
10月20日現在は122,877尾で、前年同期535,619尾に対して22.9%です。



22.9%……。日本海側へサケ釣りに行く自分としても、これはなかなかキツい数字です。
さらに驚いたのが、10月中旬の増え方です。
10月10日時点の日本海は118,877尾。
10月20日時点は122,877尾。
つまり10日間で増えたのは、わずか4,000尾。
前年は同じ10日間で44,623尾増えていました。
今年の増加ペースは前年の約9%です。
これは「少し悪い」というレベルではありません!!!
日本海南部20.2%、中部23.0%、北部24.0%なので、特定の場所だけではなく、日本海側の広い範囲で低調な状態が続いています。
漁獲尾数54%なのに漁獲金額は70%ある
もうひとつ面白いのが漁獲金額です。
10月20日現在の漁獲金額は約136億7,096万円。
前年同期は約194億3,251万円なので、前年同期比は70.4%です。
漁獲尾数は54.1%なのに、金額は70.4%。
つまり、尾数ほど金額は落ちていません。
単純に漁獲金額を尾数で割ると、今年は1尾あたり約5,430円、前年は約4,180円となり、単純平均では今年の方が約3割高くなります。
また、えりも以東の漁獲金額は121.1%で前年超えです。尾数91.2%なのに金額は121.1%と大きく上回りました!
もちろん魚体サイズや品質、地域、時期によって価格は違うので、これだけで「サケの価格が3割上がった」と断定することはできませんが、それでも、漁獲量の減少を単価の上昇がある程度補っている可能性は数字から見えてきます。
「今年は遅れているだけ」はさらに言いにくくなった
前回の記事でも、「今年は遅れているだけなのか?」という話を書きました。
10月10日の段階では、まだ「これからまとまった群れが入るかもしれない」という余地もありました。
しかし10月20日になっても、全道の増加ペースは前年の約29%。
しかも10月上旬も前年の約28%だったので、2旬続けて低いペースです。



もし単純な来遊の遅れなら、どこかのタイミングで前年との差を縮めるような強い増加が欲しいところです。
ところが現時点では、その動きがまだ見えていません。
なので自分は、前回よりさらに一歩進んで、「来遊が遅れている」というより、そもそも北海道へ帰ってきているサケの総数が少ない可能性を考えた方がよいのではないかと強く、強く感じています。
もちろん、これは漁獲速報から見た自分の考えです。
漁獲尾数=来遊尾数ではありませんし、操業状況や海況などさまざまな要因も影響します。
それでも、ここまで前年との差が大きく、10月に入っても増加ペースが上がらない状況は気になります。
ここから大逆転はある?
では、10月下旬以降に大逆転する可能性はあるのでしょうか?
ゼロではありません!
サケは自然の生き物なので、突然まとまった群れが沿岸へ寄ることもあります。



ここから「待たせたなー!」って一気に帰ってきてほしい!
自分も本当にそうなってほしいです。ただ、現在は前年との差が約214万尾。
10月10日から20日にも、その差は約50万尾以上さらに広がりました。
ここから前年同期比80%、90%まで一気に戻すには、かなり大きな来遊が必要になります。
少なくとも10月20日現在の数字を見る限り、前回書いた「大きなV字回復は難しい」という見方を変える材料はまだ出ていないのが現状です。
まとめ|10月中旬も回復せず54.1%へ


10月20日現在、北海道の秋サケ沿岸漁獲尾数は2,517,987尾、前年同期比54.1%となりました。
前回10月10日の58.6%からさらに低下し、前年との差は約214万尾まで広がっています。
そして今回もっとも気になるのは、10月10日から20日の増加が208,110尾にとどまり、前年同期間の増加ペースの約29%しかなかったことです。
オホーツクは54.5%、根室68.4%、えりも以東91.2%、えりも以西31.3%、日本海22.9%。
前回まで前年を上回っていたえりも以東も、小計ではついに前年割れとなりました。
一方で、えりも以東・東部は142.0%と好調です。



ここまで来ると「遅れているだけ」では説明しにくくなってきました。でも、まだシーズンは終わっていません。最後にドーン!と来てくれることを期待したいですね!
そして、自分が引き続き心配しているのは今年の釣果だけではありません。
親魚が少ない状態が続けば、その先の採卵やふ化放流、そして数年後の資源にもつながっていきます。
2026年の秋サケは、このまま低調なまま終わるのか?
それとも10月下旬に最後の巻き返しがあるのか?
次の速報も、しっかり追いかけていきます!
今回使用した資料
本記事の漁獲尾数・漁獲金額などは、北海道が公表している「令和8年 秋さけ沿岸漁獲速報(10月20日現在)」をもとにしています。
また、10月中旬の増加量については「10月10日現在」と「10月20日現在」の速報値を比較して算出しています。

